2026.07.10
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食品産業とロボットの相性は抜群【前編】/FOOMA JAPAN2026

6月2日~5日の4日間、都内の東京ビッグサイトで「FOOMA JAPAN(フーマジャパン)2026」が開かれた。会期中に本州に台風が直撃した影響で4日間の総来場者数は前回から大きく減少したが、それでも6万7721人が来場した。梱包前の食品を直接扱うシステムから梱包済みの食品を扱うシステムまで、幅広いロボットシステムが展示された。「食品産業とロボットの相性はいい」と多くの出展企業幹部は口をそろえる。

曽根勇也:ロボットダイジェスト編集デスク

AIロボットを食品工場に

FOOMA JAPAN2026は東京ビッグサイトで開催された

 食品製造業はまだまだロボットによる自動化が進んでいないが、潜在的な市場規模は巨大だ。
 そこでロボット関連の各社は、人工知能(AI)技術で不ぞろいな食品にも対応できるようにする、洗浄性など食品加工の現場に求められる仕様の製品をラインアップするなどして、この市場の開拓を図る。

覚えた画像と同じようにケチャップをかける

 会場内にロボットを展示し、大きな注目を集めたのが安川電機だ。同社は今回展の目玉として、AI対応ロボット「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」を展示した。
 会場では弁当のハンバーグにケチャップをかけるデモを披露した。弁当内のハンバーグは精密な位置決めがされていないため、従来の位置決めによるティーチング(教示)では自動化が難しい。そこでデモシステムでは、実際にケチャップを載せたハンバーグ弁当の画像をAIロボットに覚えさせ、「その画像と同じようにケチャップをかけさせる」ことで自動化した。ハンバーグは位置がばらばらで、わずかな個体差もある中で、「同じように」といった感覚的な判断ができるのはAIロボットならではだ。画像は1枚でよいため、毎日中身が変わる弁当でも対応できる。
 「食品工場では季節ごとの商品なども多く、メニューの変更が頻繁にある。そのため従来のロボットシステムでは対応しにくかったが、AIロボットであればこれに対応でき、非常に相性が良い」と食品事業開発営業課の鈴木章弘課長は言う。

野菜や果物を認識するAIのパッケージソフトを発表した

 その他、モートマンネクストなどのAIロボットシステム用のソフトウエアパッケージ「AlliomWorks(アリオムワークス)」の「VegeFruPutter(ベジフルプッター)」も発表した。
 トマトやリンゴなどの球状の野菜や果物の形状や向きなどを認識できるようにするソフトで、これとモートマンネクストを組み合わせれば、野菜や果物の皮むき機への投入や、箱詰めをするAIロボットシステムを簡単に構築できる。

選択肢が広がるオールステンレス

ファナックはオールステンレスでロングリーチの新製品を展示した

 ファナックはオールステンレスのパラレルリンクロボット「DR/8-16Bステンレス」を展示した。可搬質量8kgで直径(φ)1600mmの動作範囲を持つ高速搬送用のロボットだ。広い動作範囲を生かした高速かつダイナミックな搬送に多くの来場者が見入った。

 耐腐食性に優れたステンレス製のため、薬品を使った洗浄が可能。防じん・防水性能は最高等級の「IP69K」で高圧洗浄にも耐えられ、排水性を考慮した形状を採用した。分解清掃や、分解後の再組み立てもしやすい。梱包前の食品に直接触れる工程に使える。

 「来場者からは大きな反響をいただいた。ロボットは専用機と比べて柔軟に運用しやすい機器であり、食材の量や種類など仕様が頻繁に変わる食品製造の現場には最適」とロボットセールス本部長の島田直樹執行役員は言う。

コディアンロボティクスのロボットと永田記章社長

 システムインテグレーターのインテグリアル(相模原市緑区、永田記章社長)もオールステンレス製の食品産業向けパラレルリンクロボットを展示した。メーカーはオランダに本社を構えるCodian Robotics(コディアンロボティクス)だ。

 「コディアンロボティクスは2013年にオールステンレス製のロボットを開発したこの分野のパイオニア。漁船の船上での魚の加工工程でも使われるなど、豊富な採用実績があることを知ってもらえれば」とインテグリアルの永田社長は話す。

盛り付けは高生産・省スペースに

双腕仕様は単腕2台と同等の処理能力を確保しながら、設置スペースを35%削減した

 総菜などの盛り付けも自動化のターゲットとして注目を集める工程だ。

 FingerVision(フィンガービジョン、東京都江東区、濃野友紀社長)は唐揚げなどのおかずをつかんで容器に入れる「おかず盛り付けロボットシステム」の新機能や新仕様を会場で初披露した。

 新機能は「ノンストップモーション」で、従来はつかみにいく動きと置きにいく動きの間に一瞬の停止時間があったが、これをなくすことで1時間当たりの作業回数を650回から950回へと向上させた。
 また、新仕様として双腕バージョンを開発。単腕2台と同等の処理能力を確保しながら、設置スペースを35%削減した。
 「わが社はロボットハンド用センサーのメーカーと思われがちだが、食品産業向けにはロボットシステムを提供している。ロボットに不慣れな企業でも簡単に導入、運用できるので、ぜひご検討いただければ」と山口明彦最高研究責任者兼最高技術責任者は話す。

――後編に続く

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