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2022.04.21

自動でも手動でも楽々脱着/常盤電機

ロボットシステムなどの工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)機器・システムや電源設備などを販売する常盤電機(兵庫県姫路市、常盤充社長)は、昨年11月にデンマークの協働ロボット周辺機器メーカーTriple A Robotics(トリプル・エー・ロボティクス)と国内初の代理店契約を結び、同社の協働ロボット用ツールチェンジャー「WINGMAN(ウイングマン)」を販売開始した。自動と手動の両方でハンドを付け替えられることが大きな特徴だ。同社のFA事業のコンセプト「Simple Robotization(シンプル・ロボタイゼーション、以下SR)」の鍵となり、事業のポテンシャルを引き出す。

電源や空圧の供給は不要

静粛性が高く、スムーズにハンドを付け替えられる

 ロボットのツールチェンジャーには手動で交換することを前提としたタイプと、ロボット自身の動作で自動で交換するタイプがある。既存の製品はどちらか一方に対応するものが多く、一つのツールチェンジャーで両方に使えるものは少なかった。トリプル・エー・ロボティクスの「ウイングマン」は手動と自動の両方でロボットハンドなどのツールを交換できるのが最大の強みだ。

 手動の場合は、側面のダイヤルを回してロックを解除し、ハンドを外す。交換するハンドをセットした後、ダイヤルを回してロックすれば交換が完了する。自動の場合は、ロボットが専用金具のフックにダイヤルを引っ掛けてロックを外し、そのまま他のハンドに付け替える。

 本体のロック機構のみでハンドを保持できるため、電源や空圧を供給する必要がなく、使用環境の制約も小さい。また、本体は高さが30mmとコンパクトで、重さは260gと軽量。軽量・コンパクトで交換も容易だが、33kgの重量まで対応するのも魅力だ。繰り返し精度は±0.03mmを保証する。

顧客のニーズに応えて

「ウイングマンに関する問い合わせは遠方からも来る」と吉野本部長は話す。

 「2022国際ロボット展にデンマークのOnRobot(オンロボット)ブースでPRした時には、予想以上に大きな反響があった。電源や空圧が不要で脱炭素に貢献する点を評価いただいた。われわれとしてはその点をはっきりと長所として認識しておらず、商品のさらなる長所を知る機会になった」とFA事業を統括する吉野剛第2事業本部長は語る。

 FA事業部で取り扱うオンロボットのロボットハンドの販売活動の中で、協働ロボットシステムの生産性を高めるために、手動でも自動でも交換できるツールチェンジャーが必要との声が常盤電機に多く寄せられた。同社は当時まだ日本で販売実績のなかったウイングマンを見出し、2021年11月に製造元のトリプル・エー・ロボティクスの日本初の代理店として、同製品の販売を開始した。

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