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2021.08.17

[注目製品PickUp! vol.37]使いやすくて日本製! 多品種向けフィーダー【後編】/鈴野製作所「SVFシリーズ」

鈴野製作所(神奈川県秦野市、鈴野和仁社長)は、今年の初めにテーブルが振動するタイプのロボットシステム用パーツフィーダー「SVFシリーズ」を開発した。同社は半世紀以上の歴史を持つが、ロボット関連機器を発売したのは今回が初めて。「昨年までは、半導体の二次加工や組み立てなどを手掛ける町工場だった。自社で感じていた課題を解決できる製品なら、日本の多くの製造現場でニーズがあるはず」と鈴野勇樹氏は語る。

FA機器メーカーとして再出発

 鈴野製作所の創業は1967年。創業者は鈴野弘正氏で、現在の鈴野和仁社長の父にあたる。SVFシリーズの制御系の開発を担当した鈴野勇樹氏は社長の長男、ハードウエアを設計した鈴野真樹氏は社長の次男だ。

 同社は昨年まで、受託で半導体の二次加工や組み立てをする町工場だった。しかし半導体生産の海外移転などが進み、昨年12月にその工場を閉鎖。実家のガレージで再出発して開発したのが、SVFシリーズだ。

「SVFシリーズ」は同社が外販する初の自動化機器

 同社では2009年から自社工場の自動化に取り組み、鈴野勇樹氏と真樹氏がさまざまな自動化設備を内製してきた。その中で、自動化が難しい作業・工程もあり、常々課題と感じていた。
 「現場で感じていた自動化の課題は、よく考えると多くの製造現場に共通するもの。それを解決する製品を開発できれば、FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)機器のメーカーになれる」(鈴野勇樹氏)と、再出発にあたってオリジナルのFA機器を開発すると決めた。

短時間で切り替えられ、省スペース

これまで社内用の自動化設備を開発してきた鈴野勇樹氏(左)と鈴野真樹氏

 自社工場で課題だったのが、多品種少量生産の自動化だった。
 以前同社では、自動化する際にボウルフィーダーを使っていた。投入された部品を、整列させて供給する機器だ。ボウルフィーダー内部にはらせん状の長いレールがあり、そのレールを使って部品を整列させる。供給部品を切り替える際は、レール内の部品を全て取り除いたり、レール幅の調整などが必要だった。切り替えに時間がかかり、多品種少量生産には使いにくかった。

 そのため、生産数の少ない製品は自動化せずに、人手で作業していたが、狭い工場内で自動化ラインと人手で作業するスペースの両方を設けると、今度は所要スペースが問題になる。「少量生産の仕事もあり、工場に余分なスペースはない。こうした町工場は全国にたくさんあるのではないか」と鈴野真樹氏は話す。

振動パターンを変えるだけでさまざまな物に対応

 このニーズを満たせる製品を検討し、行き着いたのがテーブルを振動させるタイプのフィーダーだった。レールがないため余った部品の回収が容易で、レール幅の調整なども必要ない。

 事業化に向け競合企業などを調査すると、高機能だが高価で複雑な製品や、安価だが機能が限られる製品はあったが、まだまだ差別化の余地があり、未開拓でこれから広がる市場だと感じて参入を決めた。

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