ロボと機器の統合で高度な自動化/オムロン
オムロンは7月31日、ロボットや、センサーなどの制御機器を一つのコントローラーで操作できる「ロボット統合コントローラー」を発売した。
これまではロボットとその他の機器の制御には別々のコントローラーが必要で、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などは複数のプログラミング言語を使い、動きを同期させることで自動化システムを構築していた。そのため、ロボットと機器の動きにズレが生まれやすく、熟練者の手が必要な複雑な組み立てなどの自動化は難しかった。
コントローラーを一つにまとめたことで、複雑なプログラムを組む必要がなくSIerへの負荷を軽減する。
制御の統合でロボットと周辺機器をリアルタイムで完全同期させられるため、微妙な角度の調整や力の入れ具合の調整などが必要な繊細な加工や組み立て工程も自動化しやすい。同社の検証によると、統合コントローラーにしたことで装置のパフォーマンスは23%向上したという。
また、一つのソフトにロボットや周辺機器、設備など全ての情報を集約するため、全体の動きをシミュレーションできる。設備を設計する初期段階で、動作や生産能力を「見える化」し、工程設計や動作検証の工数を従来の半分に抑えられる。さらに、リモートでの設備の立ち上げや、メンテナンスもしやすい。
オムロンは「制御進化」、「知能化」、「人と機械の新しい協調」の3つを推進する独自コンセプト「i-Automation!(アイオートメーション)」を掲げており、ロボット統合コントローラーはそのコンセプトの中軸と位置づける。
山田義仁社長は7月28日に開かれた第1四半期決算発表会でも同製品に触れ「作業者や生産技術者の人材不足が課題のなかで、オムロンは統合コントローラーのソリューションを通じて課題の解決に挑戦する」と意気込んだ。
(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)
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