[海外展リポート]ロボットに何をさせる? 欧州の工作機械見本市での提案【後編】/EMOハノーバー2019
9月16日~21日の6日間、ドイツ・ニーダザクセン州のハノーバー国際見本市会場で開かれた欧州国際工作機械見本市「EMO(エモ)ハノーバー2019」。欧州では人手不足が深刻化しており、自動化や省人化の提案が目立った。後編ではロボット以外の自動化や工作機械の被加工物の交換以外の提案をまとめた。
自動化はロボットだけではない
欧州では、被加工物だけ単体で付け替えるのではなく、それを乗せた台(パレット)ごと交換する「オート・パレット・チェンジャー(APC)」の使用も盛んだ。 ドイツの工作機械メーカーのグローブは、全長30mほどでパレットを約50枚収納できるAPCと3台の工作機械を組み合わせたシステムを展示した。組み換え可能な「基本モジュール」の組み合わせ次第では最大5台の工作機械を接続できるなど、柔軟なシステム構成ができる点をアピールした。 日本メーカーでは安田工業(岡山県里庄町、安田拓人社長)や松浦機械製作所(福井市、松浦勝俊)などが工作機械とパレットチェンジャーをセットで提案した。両社とも「欧州では自動化設備が必須。パッケージ化しやすい分、ロボットよりも手軽に導入できるため、APCが使われやすい」と声をそろえる。 またAPCと異なるパレット交換を提案するメーカーもあった。DMG森精機は大型のパレットを運べるフォークリフト型の無人搬送車(AGV)を披露。このAGVがあれば、理屈の上では何枚でも無制限にパレット交換ができる。