[注目製品PickUp!vol.53]ソフトで柔軟にシステム構築/モベンシス「WMX3」
買収で開発を加速
「WMX3は今後6~7年で現在の100倍まで需要が伸びるとみている。モジュール化でモーションシステムの開発スピードは早くなり、ユーザーのウインドウズベースの資産も活用できる。ソフトマスターの対応フィールドネットワークは3つある他、『マルチネットワーク機能』は2つのネットワークの同時制御ができる。モーションもマスターも両方手がけるところに強みがあり、高い柔軟性がある。制御軸数が多いほどソフト化のメリットは大きい」と佐藤社長は自信をのぞかせる。 また3月に、モベンシスは自律移動型ロボット(AMR)制御を手がける米国のベンチャー企業、スカイラテクノロジーズの買収を発表した。両社のソフトを統合し「トータルAMR制御プラットフォーム(基盤)」を目指すという。従来AMRに搭載するPLCやロボットコントローラーを不要にし、1台の産業用PCでAMRの走行制御をはじめ、ロボットやFA機器を制御できるようになるという。 「AMR制御をモーションコントロールとの統合型で提供できれば大きなメリット」と佐藤社長は意気込む。 スカイラテクノロジーズもMIT発のベンチャー企業で、AMRの制御ソフトで独自技術を持つ。今回の買収を機にモベンシスは米国ボストンに「ボストン先端R&Dセンター(BARC)」を設立し、WMX3の拡張で製造装置メーカーの利便性や機能性、制御性を一層高めるための各種先端ソフト技術を開発するという。 今後はさらに、制振制御機能、画像処理ソフト(マシンビジョン)とWMX3との統合、人工知能(AI)や機械学習を利用したサーボのチューニング最適化などの開発テーマを掲げ、開発を加速するという。
(ロボットダイジェスト編集部 芳賀崇)