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2023.03.31
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エプソンはさまざまなソリューションで生産現場の難題解決を共に目指すVol.4

盛り付けロボットの新バーション発表  

惣菜製造ロボットT3-B改を組み込んだ「Delibot省スペース型」(写真は3月22日の記者会見「“ロボフレ”による惣菜産業革命で人手不足解消」)

 プロジェクトの活動成果が形になったものの一つが、惣菜盛付ロボットシステム「Delibot TM(※Delibotはコネクテッドロボティクス株式会社の登録商標)」だ。同システムは22年の「第10回ロボット大賞 中小・ベンチャー企業賞(中小企業庁長官賞)」も受賞している。  食品向けロボットシステムの開発を専門とするコネクテッドロボティクス㈱(東京都小金井市、沢登哲也代表取締役/ファウンダー)が中心となってシステムを構築し、システムに最適化したロボット本体の開発はエプソンが担った。  第一弾は22年に開発され、経済産業省の助成を受けて惣菜を製造・販売するマックスバリュ東海㈱(浜松市東区、作道政昭代表取締役社長 兼 社長執行役員)の工場で運用実証を続けていた。4台のシステムを導入し、これまで7人必要だった工程を3人に省人化できるなど大きな成果を得られたが、運用により新たな課題も見えてきた。そこで順次開発を進め、このほど改良版が完成した。  制御などさまざまな面を見直したが、最も大きく改善されたのは設置スペースだ。Delibotの初期モデルは横幅が約1mあり、側面にメンテナンス扉があるため詰めて置くこともできなかった。惣菜工場はスペースに余裕がない現場も多く、人と同程度以下の所要面積に抑えたい。この省スペース化で大きな役割を果たしたのがエプソンだ。  従来はアーム本体とロボットコントローラーが別置きだったが、新開発モデルではコントローラー一体型のスカラロボット「T3-B」をベースに「惣菜製造ロボットT3-B改」を新たに開発。人と同程度のスピードで惣菜の盛り付け作業をこなすには十分な性能があるが、安価な価格帯の機種になるため、さらなるコストダウンにも貢献する。200Vではなく、一般的な100V電源で使用でき、電源確保が容易なのもポイントだ。制御ソフトウエア「Epson RC+」を使えば周辺機器まで統合的に制御できる。「スカラロボットで豊富なラインアップをそろえるエプソンならではの提案」とエプソン販売の高山本部長は語る。

エプソンの天吊り型スカラロボットを組み込んだ「高速弁当盛付ロボットシステム」(写真は3月22日の記者会見「“ロボフレ”による惣菜産業革命で人手不足解消」)

 またプロジェクトでは、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などからなる企業コンソーシアムTeam Cross FA(チームクロスエフエー)を中心に「高速弁当盛付ロボットシステム」も開発した。このシステムにはエプソンの天吊り型のスカラロボットが採用されている。  プロジェクトでは惣菜盛り付けの他に、惣菜容器の蓋を閉めるロボットシステムなども開発する。Delibotの開発も引き続き継続し、さらにブラッシュアップする計画だ。  「エプソンならさまざまなバリエーションのロボットを提供でき、プリンター事業で培ったリモートサポートや従量課金などさまざまな技術やノウハウも保有する。惣菜の盛り付けや蓋閉め以外にも、ラベル貼りなど食品産業で自動化できる作業はまだまだある。プロジェクトの活動に加え、今後は地域の特産品の自動化提案をはじめとした、本活動以外の食品分野の開拓にも力を入れていく」とエプソン販売の高山本部長は話す。

<次ページはコネクテッドロボティクス沢登代表取締役インタビュー>

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