2022.11.21
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[SIerを訪ねてvol.29]最新技術で高度な自動化を/愛知産業

常に顧客の「その先」へ

 もちろん手がけた案件の全てがビジネスとして成功したわけではない……。井上社長は苦笑いしながらそう話す。  多くはQCD(品質・コスト・納期)の水準が難しい案件だが、試作段階はクリアしながらも量産段階では予算の問題で思い描くような受注には結びつかない場合もある。  「それでも必ず立ち上げ、実用段階まで道筋をつける。決して逃げない。この基本スタンスがあるからこそ、顧客と長い付き合いを育むことができる。SIerとして常に顧客の『その先』をデザインしていきたい。装置やシステムを納めて終了ではなく、技術で顧客と付き合っていく」と井上社長は胸を張る。  同社は創業96年の輸入商社だ。ビジネスのスタート時期に海外製の溶接棒を扱い、日本の高度経済成長期の溶接業界を支え、溶接の海外製装置を輸入するようにもなった。社内に自動溶接システムの開発、設計、製作部門も設け、ビジネスの幅を広げた。  1974年にはエンジニアリング会社を設立し、装置や機器の提供だけでない、今でいうソリューション提案に力を入れてきた。  さらに自動化、ロボット化のニーズが高まり、それに応えるべく、2017年にグループ企業であるエンジニアリング会社を吸収合併し、エンジニアリング本部としてスタート。ロボット産業の振興に力を入れる相模原市に相模原事業所を作り、同本部を置いた。自動化システムの設計・開発から製作、納入、据え付け、試運転、操作説明まで一貫したソリューションを提供するSIer事業の体制を整えた。

AI画像検査システムも自社開発
相模原事業所は天井も高く、5tと10tのクレーンを装備し、大がかりなシステムも組める
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