2026.10.05
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AIロボットを当たり前の選択肢に/日本ロボット工業会 小川 昌寛 会長

AIロボットが食やインフラなどの課題の解決策に

――AIロボットの活用先として有望な分野とは。
 例えば「食」の分野です。「食料安全保障」という言葉もありますが、食料の安定生産は安心して暮らしていくためにはとても重要です。災害が多発していますし、国際情勢も不安定ですから、食料品は「海外から買えばいい」というものではありません。農業などの「食」関連はAIロボットに適した分野だと思います。農作物は工業製品と違ってどうしても個体差がありますが、AIロボットであればそうした個体差の問題を乗り越えられます。

――その他にもありますか。
 インフラもAIロボットの活用が期待される分野です。日本ではインフラの老朽化が進んでおり、メンテナンスが急務ですが、ただでさえ人手不足なのにそれを人海戦術で行うのは無理があります。AIが判断し、ロボットで作業するシステムが求められています。また、医療・医学なども将来性が大きい分野です。私は最近、足を悪くしてリハビリを受けているのですが、リハビリにもロボットを活用する余地があります。その他、本当にさまざまな分野の課題解決にAIロボットは生かせます。

――製造業はどうですか。
 もちろん製造業でもAIロボットは大きな役割を果たせます。変種変量生産に対応しやすくなるなど、さまざまなメリットがありますが、それだけではありません。例えば「特定のベテランにしかできない作業」があると事業継続のリスクになりますが、AIロボットがその作業をできるようになれば継続性が担保されます。「安定供給の価値」が見直されている時代ですので、供給の安定性・継続性が確保できれば「日本のものづくりの新たな付加価値」の一つになります。

――AIロボットはあらゆる産業を変えますね。
 私は20年以上前から「既存のティーチングだけでは担える作業に限界がある。ロボットはもっと自律的になるべきだ」とずっと考えてきました。AI技術の発展でやっとそれが実現できるようになり、可能性が急拡大してロボットの「第二次成長期」が来たと感じています。

――潜在市場は膨大ですね。
 その潜在市場を開拓するには具体的なアプリケーションの開発が必要です。その開発は個社の力だけではできず、多様なエンジニアリング技術やセンシング技術、ソフトウエア技術などが必要になります。その幅広い技術を持つプレーヤーが集まっているのが日本ロボット工業会です。工業会内でAIロボットに関する活発なディスカッションを実施し、工業会が一つの大きなエコシステムとなってさまざまな課題解決に取り組めればと考えています。


小川昌寛(おがわ・まさひろ)
1987年九州芸術工科大学(現九州大学)工学部卒、安川電機製作所(現安川電機)入社。ロボット技術部長などを経て2010年米国安川米州統括。12年執行役員、16年ロボット事業部長、19年取締役、20年常務、22年代表取締役専務、23年社長、26年5月から副会長執行役員。同月に日本ロボット工業会会長に就任。1964年生まれの62歳。

※この記事の再編集版は「月刊生産財マーケティング10月号」でもお読みいただけます。

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