[直前特集RTJ2026 vol.4] 組み合わせで課題を解決/ロボットメーカー
AIビジョンの立ち上げを90%短縮
スイスに本社を置く大手ロボットメーカーの日本法人ABB Robotics Japan(ABBロボティクスジャパン、東京都港区、浅利貴社長、E35)は、「RTJで中部圏の人たちにもぜひわれわれの強みを知ってほしい」(菅井康介インダストリー事業部長)と意気込む。今回展で力を入れるのが人工知能(AI)機能の提案だ。
同社のプログラミング&シミュレーションソフトウエア「RobotStudio(ロボットスタジオ)」を使えば、自動でロボットの動作経路を生成する「自動パスプランニング」や、プログラムコードの作成・修正を補助する「AIアシスタント」などを利用できる。
特に今回展の目玉展示としてアピールするのがAIビジョンシステム「OmniCore EyeMotion(オムニコア・アイモーション)」だ。
大きな特徴が、複数社のカメラをロボットスタジオから直接操作・設定できること。同システムにカメラは含まれず「Gig(ギグ)E」と呼ばれる標準的な産業用カメラの通信規格に対応するものであればメーカーを問わず使用できる。ロボットとビジョンシステムを連動させる場合、通常はそれぞれのビジョンシステムの操作を習得してキャリブレーションなどを実施し、かつ制御機器やソフトを連携させる必要がある。
オムニコア・アイモーションを活用すれば、ロボットスタジオからメーカーの異なる複数の3D・2Dカメラを直接操作可能だ。システムの立ち上げ時間を最大90%削減でき、自動パスプランニングと組み合わせることで、特異点を回避しながら動作のサイクルタイムも短縮できる。「ビジョンシステムで苦労したことのあるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)がこの展示を見れば驚くはず。ぜひ見に来てほしい」と菅井事業部長は言う。
また、協働ロボットの新製品「PoWa(ポーワ)」の実機を国内初披露する。同社は協働ロボット「GoFa(ゴーファ)」も販売するが、ポーワはゴーファとは異なる特徴を持つロボットだ。ゴーファは高い軌跡精度を実現でき、全軸にトルクセンサーを搭載して精度や力覚を求められる作業に向く。例えば接着剤の塗布や研磨、レーザー溶接などの用途に最適だ。
一方ポーワは、周囲の安全が確保されている状況なら最速で秒速5.8mの高速動作ができる。ゴーファは可搬質量5kg~12kgの3機種だったが、ポーワでは7kg~30kgの6機種をそろえ、アーム長も同等クラスでは最長級だ。「協働ロボットのアプリケーション(用途)の7割~8割はポーワでカバーできる。販売価格もポーワの方が抑えられているため、協働ロボットの販売拡大の契機になると期待している」と菅井事業部長は話す。
会場では20kg可搬のポーワを使ったパレタイズシステムを、安全制御機能「SafeMove(セーフムーブ)」と併せて展示予定だ。セーフムーブはレーザーセンサーなどで人の接近を検知して、距離に応じてロボットの動作速度を落としたり停止させる安全機能で、複数の第三者機関の認証も得ている。
「こうした安全機能はよくあるが、『特定のエリアに入ったら速度を落とす。停止する』といった単純な制御ではなく、その瞬間のロボットの向きや動作に応じて安全機器の設定をリアルタイムに変更する最適な制御がセーフムーブなら可能。無駄な速度低下や停止時間を削減し、生産性を高められるので、そこも体験してもらえれば」と菅井事業部長は語る。

