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2021.04.07

ロボ切削の普及に「値段」と「パッケージ」が必要/インフィニティソリューションズ「KATANA」

システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のインフィニティソリューションズ(長野県上田市、小山田聡社長)は産業用ロボットで切削加工や研磨などをするパッケージシステム「KATANA(カタナ)」を開発した。小山田社長は「カタナで、ロボットを使った切削加工を日本でも一気に普及させたい」と意気込む。

切削加工や研磨、バリ取り以外の作業も

ドイツのKUKA製の垂直多関節ロボットがエンドエフェクターを使って加工する

 カタナは、金属加工機のマシニングセンタ(MC)をイメージして開発された。
 箱型の機体内部の壁面に垂直多関節ロボットが固定され、ロボットとその先端に付けたエンドエフェクターが切削などの実加工を担う。

 加工室内には、ドイツのKUKA製の垂直多関節ロボットを搭載。さらに加工対象物(ワーク)を固定する側にも回転テーブルがあり、合計7軸を駆使して複雑な形状を加工できる。
 樹脂や木材、発泡スチロール、アルミ、鋳物など比較的軟かい素材の加工に向く。想定する主な用途は金属加工だが、家具や木工品などの木材加工にも使ってほしいという。
 繰り返し精度と軌跡精度は共に±0.06mmを保証する。

一連の加工や画像測定の様子

 ロボットの先端にスピンドルが付き、切削加工や研磨、加工で生じた微小な突起(バリ)の除去に対応する。
 それだけではなく、先端のエンドエフェクターを取り替えて、ロボットハンドを使ったワークの交換や圧縮空気の吹き付けによる切りくずの除去まで、さまざまな作業を担う。
 カメラを使った測定もできる。エンドエフェクターとしてアーム先端に装着してワークの位置を把握したり、加工室内に固定して切削工具の長さの確認や工具破損の検出に使う。

工作機械と同様にGコードで制御

加工室内部。写真奥には付け替え用エンドエフェクターの設置棚がある

 MCなどの工作機械と同じくGコードで制御する。
 CAD(コンピューター支援設計)データを基に加工プログラムを作成するCAM(コンピュータ支援製造)ソフトも、機械本体にオプションで搭載できる。

 搭載するロボットのサイズ別に4種類の標準品を展開する。アーム長が最短の700mmタイプで対応できるワークの大きさは、横500×奥行き300×高さ300mm。加工用スピンドルは毎分1万5000回転と同2万回転の2種類を用意した。ワークを固定するテーブルや搭載するエンドエフェクターのカスタイマイズに応じる。

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