[ロボットが活躍する現場 vol.59] アルミ総合メーカーが挑む、重量物の自動搬送とは/UACJ
可搬質量を上げ、屋外でも安定走行
一時停止やカーブなどをしながら構内を走行する
AEX-10は外観からは一体化して見えるが、実際は3段構造となっている。ダイスの形状に合わせたジグ(補助具)と、そのジグを乗せる搬送台車、そして足回りのMITRAの3段から成る。
この構造にした理由は可搬質量を上げるためという。「MITRAの上に対象物を載せる場合の可搬質量は100kg。だがダイスの重さや一度に複数運ぶことを考えると、300kgは必要だった」と同センターの柳父健二主幹は言う。そこで車体に直接ダイスを載せるのではなく、けん引式なら可搬質量を上げられると考えた。その上で車両サイズをコンパクトにするため、3段積層型のけん引構造を採用した。
一見すると車体の上に搬送台車が直接載っているように見えるが、内部には垂直方向に伸縮するスプリングが組み込まれており、そのスプリングが荷重を分散しつつ搬送台車を引っ張る。搬送台車は4つのタイヤも備え、走行を補助する。
「可搬質量の向上にはタイヤの増設が必要だったが、MITRA自体の走破性能を損なわないよう、設計には非常に苦労した」と同センターの山口浩一主幹は振り返る。現場からの意見も取り入れながら検証を繰り返し、ついに可搬質量300kgと屋内外での安定した走行を実現した。

