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2026.05.11
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[ロボットが活躍する現場 vol.59] アルミ総合メーカーが挑む、重量物の自動搬送とは/UACJ

可搬質量を上げ、屋外でも安定走行

可搬質量を上げるためAMRは3段構造に

 導入したAMRは、スズキの多目的電動台車「MITRA(ミトラ)」をベースに、UACJで設計、開発した。MITRAは搬送用ロボットの足回りとして使える電動台車で、段差や傾斜に対する優れた走破性を持つ。
 また走行方式は、パナソニック アドバンストテクノロジー(大阪府門真市、前田崇雅社長)の「@mobi(アットモビ)」を組み込み、レーザーで周囲の環境と自己位置を認識するSLAM(スラム)方式を実装した。

 その上でダイスを載せる部分などはUACJで設計し、完成したAMRを「AEX-10」と名付けた。

一時停止やカーブなどをしながら構内を走行する

 AEX-10は外観からは一体化して見えるが、実際は3段構造となっている。ダイスの形状に合わせたジグ(補助具)と、そのジグを乗せる搬送台車、そして足回りのMITRAの3段から成る。
 この構造にした理由は可搬質量を上げるためという。「MITRAの上に対象物を載せる場合の可搬質量は100kg。だがダイスの重さや一度に複数運ぶことを考えると、300kgは必要だった」と同センターの柳父健二主幹は言う。そこで車体に直接ダイスを載せるのではなく、けん引式なら可搬質量を上げられると考えた。その上で車両サイズをコンパクトにするため、3段積層型のけん引構造を採用した。

 一見すると車体の上に搬送台車が直接載っているように見えるが、内部には垂直方向に伸縮するスプリングが組み込まれており、そのスプリングが荷重を分散しつつ搬送台車を引っ張る。搬送台車は4つのタイヤも備え、走行を補助する。
 「可搬質量の向上にはタイヤの増設が必要だったが、MITRA自体の走破性能を損なわないよう、設計には非常に苦労した」と同センターの山口浩一主幹は振り返る。現場からの意見も取り入れながら検証を繰り返し、ついに可搬質量300kgと屋内外での安定した走行を実現した。

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