[iREX2025リポートvol.15] 西日本のロボット業界も開発盛ん/ロボットメーカー編
フィジカルAIで「判断力」を獲得
ヒューマノイドロボットと並んでiREX2025で頻出したキーワードが、人工知能(AI)だ。特に、現実の世界を認識、理解し複雑な行動を実現する「フィジカルAI」を活用した展示が多くのブースで見られた。安川電機はフィジカルAIを用い、高度に自律化された生産ラインの例などを披露。また、溶接やマテリアルハンドリング(マテハン)など従来のアプリケーション(使い方)も着実に進化しており、じっくりとブースを見て回る来場者が目立った。岡久学上席執行役員ロボット事業部長は「フィジカルAIがもたらしたのは判断力だ」と話す。
メイン展示のエリアがちょうど西1ホールの出入口に面していたこともあり、デモを実施する時間帯には連日多くの来場者が黒山の人だかりを作った。イスなどの家具を生産するのがメイン展示だ。注目すべきは、イスの脚の部品が、1mmきざみで来場者が指定した長さで切断される点。変種変量生産への対応を表現したデモだ。脚の部品をハンドリングして切断機にセットするロボットをはじめ各システムのプログラムが調整され、自律的に生産を始める。
スペースの有効活用を提案
溶接ロボットに強みを持つダイヘンは、「限られた狭いスペースにも高度な自動化を」とのテーマで出展した。新製品のコントローラーや自律搬送ロボット(AMR)を組み合わせ、今までにない溶接の自動化を提案した。自社開発のAMR「AiTran(アイトラン)500」に、同じく自社開発の協働ロボット「FD-VC8」を搭載し、溶接機本体をけん引することで、移動型の溶接ロボットを実現した。
ただし、AMRの位置決め精度では溶接位置にピンポイントで合わせることができないため、レーザーセンサーでワーク形状を認識し、教示位置とのずれを補正する。FAロボット事業部の拝野栄二企画部長は「今までのロボット溶接はロボットのある場所にワークを持ってくる必要があったが、ロボットがワークのある場所に移動することで、柔軟に運用できる。ワークが大きければ複数台で溶接することもできる」と話す。
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