[特集2025国際ロボット展vol.6]デジタルツインで工数削減/豊電子工業
デジタル展示に全振り
豊電子工業は8小間の規模で国際ロボット展(iREX)に出展する。例年とは異なり、今回は何と実機を一台も展示しない。
ブースでは仮想現実(VR)技術を生かし、同社がこれまでに手掛けたロボットシステムの事例を紹介する。また、「ギガキャスト」と呼ばれる鋳造技術で製造した大型アルミダイカスト部品のレーザー切断や切削加工を自動化するロボットシステムなどを自社工場に構築し、ブース内に設置した大型モニターで動作デモを生中継する。「1台のロボットがエンドエフェクターを交換しながら、レーザー切断も切削加工も担う。トリミングプレス(成形品から不要な部分を切り落とす仕上げ用のプレス加工機)の代わりとして提案したい」と成瀬取締役は語る。
同社は大規模で高度なロボットシステムを構築するノウハウや、要素技術の裾野の広さに強みを持つ。だが、ブースの面積が限られるだけに、これまでの実績や新規性の高い要素技術を来場者にくまなく紹介する狙いで、思い切ってデジタル展示に全振りしたという。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

