[SIerを訪ねてvol.62]福岡から世界進出を目指す/第一施設工業
海外メーカーでも万全のサポート
国内外問わずさまざまなロボットメーカーの機種に対応する。特に近年は海外の新興ロボットメーカーを取り扱うケースが増えた。海外のロボットメーカーはサポートの不十分さを理由に取り扱わないSIerも少なくないが、価格の安さや以前よりも性能が向上していることを理由に、第一施設工業は取り扱うことを決めた。
「海外メーカーの製品は価格が安く、イニシャルコストを抑えられるのが大きなメリット。しかし、日本の顧客は製品の信頼性を大事にするため、アフターサポートで安心してもらえるかどうかが非常に大事」と清原さんは言う。
国内の主要ロボットメーカーのシステムインテグレーションやメンテナンスで培った経験や技術力を基に、海外メーカーのロボットにも対応できる体制を構築した。これで国内外のメーカーを問わず、顧客が導入した自動化設備に対して安定した保守、アフターサポートを提供できるようになった。
海外進出を目指す
同社はロボットを使わないFA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)システムも多く手掛け、ロボットのシステムインテグレーション事業の年間売上高は5億円だが、将来的には10億円の達成を目指す。「遠い将来ではなく、5~6年後に達成したい」と清原さんは力を込める。
その実現のため、今後は海外への本格進出も視野に入れる。「日本は物価が上がっているが賃金はそれほど上がっておらず、自動化の費用対効果があまり見込めないのが正直なところ」と清原さん。「米国をはじめとした海外諸国は物価が高いが、その分賃金も高騰しており、自動化の費用対効果は日本よりも期待できる」と語る。現時点ですでに動き出している海外向けの案件があり、目標実現への道を着々と進みつつある。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)