2025.09.29
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物流向け自動化提案がさらに加速【その1】/国際物流総合展2025 INNOVATION EXPO

“国内製”のAGV式自動倉庫システム

ROMSが展示した自動倉庫Nano-Stream

 小型自動倉庫などを開発、販売するROMS(ロムス、東京都品川区、前野洋介社長)は新型の小型自動倉庫「Nano-Stream(ナノストリーム)」を披露した。保管棚と着脱式クレーン、ケース搬送AGVで構成されるシステムだ。出荷時はクレーンが箱を保管棚から取り出して棚の最下段に仮置きし、その箱をAGVが出荷ステーションまで搬送する。入荷時はその逆の流れだ。

 「近年増えているAGVで水平搬送するタイプの自動倉庫システムは中国や欧州など海外メーカーの製品が多いが、わが社の製品は日本製。樹脂コンテナも日本で一般的に流通している製品を使用する。導入後の運用や保守などを考えると、国内メーカーの国内製品であることを評価していただけることは多い」と前野社長は話す。

 同システムは既に顧客への納入実績はあるが自社用の展示機は完成したばかりで、展示会後は都内のショールーム「平和島ラボ」に移設し、常設展示する。また現在、新バージョンの開発も進めているという。

「ユーザーの声」を直接会場で

ラピュタロボティクスは会場で選定の理由や導入の苦労などをユーザーにインタビュー

 ラピュタロボティクス(東京都江東区、モーハナラージャー・ガジャン最高経営責任者)は自動倉庫「ラピュタASRS」の展示に大きな面積を割いた。これはモジュール化された部品を組み合わせることで自在に構築できる自動倉庫で、「防火シャッター対応仕様」にすれば防火区画をまたいで設置できるなど自由度の高さが大きな特徴だ。床面へのアンカーの打ち込みが不要で、賃貸物件にも導入しやすい。

 会場では製品を展示するだけでなく、実際に導入したユーザー企業を招いてブース内でトークイベントも実施した。例えば、同製品を導入して昨年10月に稼働を開始した日本出版販売(東京都千代田区、富樫建社長)の物流企画部担当者が登壇し、選定のポイントや導入した際の苦労などを紹介。「導入して終わりではなく、そこから先の『共創』の提案が選定の決め手の一つになった。まだ目標の生産性には届いていないが、ラピュタロボティクスの生産性向上チームと共に改善を続けている」(日本出版販売担当者)と語った。

――その2に続く

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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