食品機械展で着実な進化や実用的な提案多く【その1】/FOOMA JAPAN2025
小型化で作業者と同等のスペースに
一挙両得の自動化ライン
包装機械メーカーのフジキカイ(名古屋市中村区、生田涌希社長)は、食品包装機や包装システムを複数展示した。
特に来場者の注目を集めたのが「リニア搬送包装システム」だ。B&R(日本法人=横浜市西区、ジャンカ・ドゥッタ社長)のリニア搬送システム「ACOPOStrak(アコポストラック)」をベースにした。搬送物を載せる「シャトル」が磁気浮上してレール状の「ループ」上を走行する。個々のシャトルの加減速やシャトル同士の間隔などを自在に制御できる。
会場では、ループの半周ごとに2つの異なる作業をさせた。片側ではチャック付きのパウチに製品を投入するデモを、反対側では製品の箱詰めをするデモを披露した。
ロボットハンドのグリッパーの爪のようにシャトルの移動間隔を広げたり狭めたりさせることで、搬送物を把持したり離したりする。技術本部制御設計部の松尾幸雄グループリーダーは「シャトルの左右の側面に異なるジグ(補助具)を取り付け、箱詰めの際は右側のシャトルと協調し、パウチを扱う際は左側と協調して動かすことで、2つの作業をシャトルを変えることなく同一のラインで自動化した」と説明する。