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2024.03.04
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[ショールーム探訪vol.21]パッケージの強みを体感/レステックス「未来のひろば」

「連れて行って即仕事」

狭い出入口も楽々移動できる

 TM RobotはカメラやAIを搭載し、システム構築がしやすいことが大きな特徴だが、レステックスではこうした特徴をさらに発展させ、独自のパッケージシステムも開発した。それが、TM Robotに架台やハンド、安全センサーなど組み合わせた「TM-REX(レックス)」だ。  あらかじめ動作プログラムを入力しておけば、仕事場に設置して電源を入れるとすぐにロボットを稼働させられる。キャスターで移動もしやすく、固定脚が伸縮するため、出入口が狭い室内の現場にも持ち込みやすい。まさに「連れて行って即仕事」のキャッチコピーの通りだ。架台の高さ調整機能を標準搭載しているなど、随所に細やかな工夫が施されている。パッケージ化されているため、導入にかかるトータル費用も分かりやすい。

 またTM-REXにはかわいらしいイメージキャラクターがいる。アーム部分を恐竜に見立てた、T-rex(ティー・レックス=ティラノサウルス)をモデルにしたキャラクターだ。  「連れて行って即仕事」を体言するデザインで、機動力の高さを表現している。

パワフルなパレタイジングロボット

カスタマイズ可能な吸着面

 未来のひろばではTM-REX以外のパッケージシステムも展示している。その一つがパレタイズシステム「TMパレタイジングオペレーター」だ。  真空吸着グリッパーを使い、段ボールをパレット(荷役台)上に積む。コンベヤーを流れてきた段ボール箱を、大きめの吸着パッドがパワフルに吸着する。先ほどのTM-REXはレステックスが独自に開発したパッケージシステムだが、こちらはテックマン・ロボットによるパッケージシステムだ。  取材時はショールームにある段ボールでデモを見せてもらったが、顧客が使う段ボールを持参して検証することも多い。「見に来るとヒントになる、新しいひらめきが生まれる」と顧客からの評判もいい。

誰でもアクセスできる検証の場に

 未来のひろばはホームページから予約をして気軽に訪問できる。顧客からの「これってできますかね」という問い合わせに「ではショールームで検証してみましょう」となることも多い。気軽に立ち寄れて、見学や検証ができる。それが未来のひろばの魅力だ。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤安紀)

[取材記者から]  ロボットの爆発的な普及を阻む課題の一つが、総費用が分かりにくいこと。システム構築の費用はロボット本体の何倍にもなり、導入検討を始めた段階ではどの程度かかるのか予測しにくい。またSIerから見ても、ゼロからのシステム開発はトータルの手間やコストが読みにくく、見積もりを誤ると経営を圧迫する。ユーザーとSIerの双方の課題を解消できるパッケージシステムは、今後のロボット普及のカギとなる。そうしたパッケージシステムを実際に複数見られる未来のひろばのような施設は注目を集めそうだ。 施設概要 名称:未来のひろば 所在地:千葉県松戸市西馬橋蔵元町21 予約申し込みはレステックスのホームぺージから 関連記事:[ショールーム探訪vol.20]人や物、コトをつなげる結節点/三井物産マシンテック「Industrial Robot Hub」 関連記事:[ショールーム探訪vol.19]SIerがSIerを育てる/五誠機械産業「九州ロボットセンター」 関連記事[ショールーム探訪vol.18]虎ノ門で、ロボットの未来を体感/ゼアーレボ「未来ファクトリー」

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