[注目製品PickUp!vol.56]独自構造のルーツは自動車部品にあり/NTN「i-WRIST」
アクチュエーターでデメリットを克服
同製品は長さが約200mmと、産業用ロボットと比べてリーチがかなり短いデメリットがある。しかし、直動アクチュエーターや回転アクチュエーターと組み合わせることで、最大6自由度まで持つことができ、リーチの短さにとらわれることなく使えるようになる。産業機械事業本部ロボティクス・センシング技術部の磯部浩主査は「X軸とY軸、Z軸方向に動けるため、アイリストの汎用性が大きく高まる」と話す。
アイリストの引き合いが多いのは、グリースや接着剤などの液剤塗布と外観検査だ。これらの作業は、指定した座標に高速で動き、高い位置精度で動きを止められるメリットを最大限に生かすことができる。
アクチュエーターと組み合わせることで多方向から液剤の塗布や外観撮影が可能となり、タクトタイムの短縮にもつながる。また、設置に必要なスペースを抑えることができ、システムによっては設置面積を1㎡以下にすることもできる。「自動化システムを設置しようにも、設置スペースがネックになる製造現場は少なくない。アイリストを使った外観検査装置ならば、従来の産業用ロボットを使ったシステムと比べておよそ半分に抑えられる」と磯部主査は強調する。