[ショールーム探訪vol.12]モノ売りからコト売りへ/因幡電機産業「ロボットセンターOSAKA」
周辺機器との組み合わせも提案
生産ラインの展示の他に、ロボットと周辺機器を組み合わせた展示にも力を入れる。「金属ワーク3D検査自動化ソリューション」は、URの協働ロボットとカナダのロボットハンドメーカーのRobotiq(ロボティック)のグリッパー「2F-85」、3次元センサー「Gocator(ゴケーター)2340」、産業用センサーメーカーの北陽電機のエリアセンサー「UAM-05LP」を組み合わせたものだ。 ワーク(加工や測定などの対象物)の複数面検査をロボットで可能にしたのが大きな特長。周囲から差し込む光による影響を抑えることで、立体物の検査がしやすい。このソリューションの紹介パネルには、URとLMIテクノロジーズがそれぞれの製品の活用事例を掲載しているQRコードが載っており、その場で使い方のヒントを得られる。 協働ロボットを使ったシステムの他に、複数のスカラロボットも展示しており、さまざまな角度から製造現場の問題解決を提案する。
時代にマッチした展示を
因幡電機産業は商社でありながら、自社で製品開発も手掛ける。その1つである「チョコ停ウォッチャーmini(ミニ)」は、製造現場の搬送ラインなどの様子を常に録画する現場監視機器。チョコ停(トラブルによる短時間の稼働停止)が発生したら、発生前後の映像を自動で保存し、原因を確認できる。「手のひらサイズで置く場所を選ばない。製造現場におけるドライブレコーダーのような存在になる」と朝倉部長。生産ラインに簡単に後付けできるのも強みだ。ショールームには、同製品を含めた自社開発の製品も展示している。 また、稼働するロボットや装置の監視に欠かせない遠隔監視機器も展示する。製造現場で使う機器へのハッキング(電子機器の乗っ取りや破壊行為)に対しては、デンマークに本社を置く通信機器メーカーのセコメアが開発した安全性の高い機器を提案。導入後は因幡電機産業のシステムエンジニアが手厚くサポートする。「顧客の変わりゆくニーズにタイムリーに対応できるようにしたい」と朝倉部長。「ショールームの展示内容は固定せず、時代に合ったシステムを提案する」と将来を見据える。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)
[取材記者から] 官庁街のせいかどことなく硬い雰囲気が漂う土地に、ロボット密度の高いショールームが存在することに少し衝撃を受けた。ロボットをただ見せるだけでなく、ロボットでどのようなことができるか、ロボットをどのように使えばよいかを一から教えてくれる場所だった。「ロボットに関心はあるが、どう使えばいいんだろう」と思案する人にこそ、ぜひ行ってみてほしい。 施設概要 名称:ロボットセンターOSAKA 所在地:大阪市中央区谷町4-11-6 中央日土地谷町ビル 予約連絡先:ロボットセンター | 協働ロボット・システム.com (cobot-system.com) (TEL)06-7669-1781 関連記事:[ショールーム探訪vol.11]上野の繁華街で、協働ロボを教わる/「SSI株式会社×TM-ROBOTショールーム&ラボ」 関連記事:[ショールーム探訪vol.10]機械商社がここまでできるの!?/宮脇機械プラント「ロボットラボ&ショールーム」 関連記事:[ショールーム探訪vol.9]ロボット事業とコネクタ事業のコラボレーション/ストーブリ「東梅田ショールーム」