2019.02.06
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ワーク交換だけが自動化じゃない!加工や測定で多彩に活用【後編】

先端に測定機器を搭載

 ロボットに測定器具を持たせる使い方もある。  第一測範製作所(新潟県小千谷市、木村敬知)は参考出展として、ロボットの先端に自社の空気マイクロメーターやねじゲージ用の自動検査装置を搭載。穴の大きさや、穴の内側のねじ山(雌ねじ)が求める通りに加工できているか、自動でチェックするシステムを披露した。  内径測定のシステムでは、測定ヘッドを付け替えて直径(φ)5.5mmとφ15mmの2種類の穴を計測。雌ねじの検査では、あえて傾けて置いた測定対象物の上面や側面のねじ穴を検査し、斜め穴にも対応しやすいとアピールした。 「どこも人手不足で、測定を自動化したいとの要望は多い。また測定の品質を安定させられるメリットもある」(吉瀬淳一営業部長)。

ロボットの先端に自社の空気マイクロメーターを付けて提案
雌ねじを検査する第一測範製作所の展示

自動車部品の構造をロボットに応用

NTNは手首のようなロボットを外観検査に提案

 ベアリングなどの機械部品を製造するNTNは、手首関節モジュール 「i-WRIST(アイリスト)」を使った自動外観検査システムを提案する。アイリストは「手首関節モジュール」とあるように、アーム(腕)ではなく手首のようなロボットで、角度が自在に変えられる点が特徴だ。同社が製造する等速ジョイントという自動車部品の構造を応用して開発した。  写真のようにアイリストの先端に外観検査用カメラを付け、可動式の台に測定対象物を載せたシステムで、双方を高速で動かしつつさまざまな角度から外観検査ができる。  「垂直多関節ロボットだと4秒かかる工程を、アイリストなら1.4秒でできる。速くてコンパクトだとお客さまからも好評」と産業機械事業本部の中村昌平ロボティクス・センシング技術部長は言う。

 今回取り上げた事例の他にも、産業用ロボットを多種多様な用途に使う提案は増えている。  被加工材の交換の速さだけで比べると、産業用ロボットよりも速い自動化機器は多い。しかし、加工補助具の交換や測定などの多様な作業を担えるのはロボットだけだ。ロボットならではの使い方の提案が増えることで、金属加工分野へのロボットの普及に今後拍車がかかりそうだ。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部)

※この記事は「月刊生産財マーケティング」2019年1月号に掲載した内容に加筆・修正したものです。 関連記事:ワーク交換だけが自動化じゃない!加工や測定で多彩に活用【前編】

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