• 連載
2019.01.24
★お気に入り登録

[SIerを訪ねてvol.4]地元企業のロボット普及の起点に【後編】/HCI

人や会社を増やし、効率化も図る

協働ロボットに画像認識するAIを組み込んだ

 今後の課題は人材だ。新しい製品や技術が次々と開発される中、SIerには常に最新の高度な知識や技術が求められる。  奥山社長は「ベテランであっても、レベルを維持するためにはかなりストイックに勉強し続けなければならない」と大変さを語る。  日本では多くの有力ロボットメーカーがしのぎを削っており、競争により技術が進歩するのはメリットだが、プログラミング言語や操作機器(ティーチングボックス)などが統一されていないので、SIerにとっては覚えることが多い。奥山社長は「アームを手で動かして動作を入力するダイレクトティーチング機能付きの製品など、容易に使えるロボットが増えているのは良いことだが、プログラミング言語やティーチングボックスを統一できれば技術者の負担はもっと減る」と話す。

地元企業の役に立ちたい

 SIerの仕事は、ロボットユーザーにシステムを納入して終わりではない。納入後にユーザーに利益を上げてもらわなければ意味がない。そのための効果的なシステムを構築するには、SIer同士が得意分野を生かし合う体制が必要だ。  奥山社長も「実際に、特定の分野でわが社以上のノウハウを持つ他のSIerを紹介することもある。採用や教育に力を入れるのは大事だが、新しいSIerを増やして協業するのも重要」と話す。  地元の中小企業に対して「せっかく培った技術を生かすためにSIerとして事業化してはどうか、と提案することもある」と言う。  奥山社長は「わが社は柔軟物を扱うSIerとしてさらに技術を磨き、特化することで地元のお客さまの役に立ちたい。まだロボットのことをよく知らない人も多いので、まずはロボットセンターで実際に見てもらいたい。その上で、ロボットで置き換えられる作業を検討してほしい」と今後の事業展開への意気込みを語る。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部)

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE