[気鋭のロボット研究者vol.4]AIで物の形から使い方を推定【後編】/中京大学橋本学教授
全自動お茶たてロボットが話題に
機能認識のAIシステムなどを生かし、橋本教授は全自動でお茶をたてるAIロボットも開発。18年10月16日~19日の4日間にわたり千葉県美浜区の幕張メッセで開催された家電見本市「CEATEC Japan(シーテック・ジャパン)2018」で、産業技術総合研究所(産総研)の小間にAIロボットを出展し、大きな話題を呼んだ。 AIロボットは2台の多関節ロボットと3つのセンサーで構成。「この中に、特定物体認識と一般物体認識、機能認識の全ての要素を取り込んだ」と橋本教授は強調する。 お茶をたてるには、粉末の抹茶を茶さじですくって湯飲みに入れたり、お湯をひしゃくですくったりと、さまざまな工程がある。これらの工程をロボットが実行するには従来、一つ一つの工程に対し複雑なプログラムを組む必要があった。 だが、橋本教授が披露したAIロボットは、ロボットが茶道具の名前だけではなく、その位置や姿勢、そしてそれぞれの茶道具が持つ機能も含めて認識できる。人が複雑なプログラムを組まなくても、ロボット自らが最適な手順でお茶をたてることができる。
実演には黒山の人だかり
橋本 学(はしもと・まなぶ) 中京大学 工学部 機械システム工学科 学部長・教授 1987年大阪大学大学院工学研究科前期課程修了、同年三菱電機入社。2008年中京大学情報理工学部機械情報工学科教授。13年から同大工学部教授。17年4月には工学部長に就任。趣味は旅行やドライブ、ギョーザ作り。1962年大阪府生まれ。 ※この記事は「月刊生産財マーケティング」2019年1月号に掲載した連載「今に花咲き実を結ぶ」を再編集したものです。 関連記事:[気鋭のロボット研究者vol.4]ロボットに物体を認識する“目”を【前編】/中京大学橋本学教授