[注目製品Pick Up!vol.2]業界最大35kg可搬はだてじゃない/ファナック「CRシリーズ」【後編】
AGVと小型協働ロボットを一体化
協働ロボットでは安全柵が不要になることで配置の柔軟性が高まるが、「今後はさらなる柔軟性が必要」と稲葉専務は言う。 その一つが無人搬送車(AGV)との組み合わせだ。小型の協働ロボットをAGVに載せれば、人と同じように移動しながらさまざまな場所で作業ができる。 展示会などでもCRシリーズとAGVの組み合わせを積極的に提案する。 上の写真は、工場内で部品を入れた箱を届けて回るシステム。箱を置く台とAGVの位置が多少ずれても、アーム先端に搭載したビジョンセンサーで認識して自動的に動きを修正する。
IoTとAIでさらに使いやすく
AGVで協働ロボットが移動できるようになると一層重要になるのがモノのインターネット(IoT)と人工知能(AI)の技術だ。 ロボットがIoTシステムにより周囲の環境や機械の稼働状況、生産計画などを把握し、そのデータを基にAIで最適な判断ができれば、「将来的には『この工程が忙しそうだから手伝いに行こう』といったようにロボットが自律的に考えて動くことも夢ではない」と稲葉専務は言う。 同社は「FIELD system(フィールドシステム)」というIoTプラットフォームを持ち、AI技術の研究や実用化にも力を入れる。 「現在の協働ロボットの運用では、人や機械がロボットに合わせている部分がある。本格的な普及はこれからだが、IoTやAIの技術と協働ロボットの技術が融合すれば、真の意味での協働、つまりは『人や機械の状況に応じて、それらと一緒に柔軟に作業できるロボット』を実現できる可能性がある。人・機械・ロボットが連携するシステムを実現していきたい」と稲葉専務は話す。
――終わり (ロボットダイジェスト編集部)
関連記事:[注目製品Pick Up!vol.2]業界最大35kg可搬はだてじゃない/ファナック「CRシリーズ」【前編】