脚光浴びる自動化提案、ドイツで見た最新のソリューション/AMB2024
切削加工や工具管理もロボット化
今回展ではマシンテンディング用ロボットシステムだけではなく、切削加工そのものや切削工具の管理業務を自動化するシステムなども数多く展示された。 AMB開催国であるドイツに本社を置く大手ロボットメーカーのKUKA(クカ)はブースに製造現場を再現し、3台のロボットシステムと1台のAMRを設置。3台のロボットシステムは「ばら積みピッキング」「切削加工」「検査」とそれぞれ役割が異なり、AMRが各ロボットシステムへとワークを搬送することでピッキングから切削加工、検査までの一連の工程を自動化した。この他、協働ロボット付きのAMRが専用ストッカーから切削工具を取り出して工作機械に見立てたパネルまで自動搬送するデモも、同じエリアの中で実施していた。
ファナックは190kg可搬の垂直多関節ロボット「R-2000iC/190S」の先端にスピンドルユニットを取り付け、アルミニウム合金を切削加工するデモを披露。ツールチェンジャーを備えており、切削加工から測定までの一連の作業を1台のロボットで自動化した。 また、産業機械メーカーのスギノマシン(富山県滑川市、杉野良暁社長)はロボットで切削加工をするためのエンドエフェクターの新製品「SELFEEDER DUO Robot Edition(セルフィーダ・デュオ・ロボット・エディション)」を出展し、来場者の関心を引いた。
ドイツの工具測定機メーカーのツォラーは切削工具の測定作業をロボット化した簡易的な自動化システム「coraMeasure(コラメジャー) LG」と、切削工具を保持具に取り付ける作業から測定作業までをロボット化した「roboBox(ロボボックス)」の2種類のパッケージ仕様の自動化システムを出展した。 日本法人(大阪府吹田市)の龍口一社長は「工具管理の自動化はワーク着脱の自動化と比べると遅れており、生産プロセス全体のボトルネックとなっている。だからこそ、これら2種類の自動化システムを訴求し、工具管理の効率化に貢献したい」と話す。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)