[特集 2023国際ロボット展vol.1]ロボットはインフラに
まだまだ伸びる余地がある
自動化機器にはさまざまなものがあるが、近年大きな注目を集めているのがロボットだ。従来の自動化は、大量生産をいかに効率化するかに主眼が置かれていた。これには用途ごとに開発した専用装置が最適だ。一方ロボットは、効率性は専用装置ほどではないが、さまざまな作業の自動化に使える「汎用的な自動化機器」だ。 専用装置で自動化しやすい工程は既に自動化が進んでおり、自動化率をさらに高めるにはロボットがカギとなる。ロボットがあれば、専用装置の前後工程など、これまで人手でしていた工程まで自動化できる。またロボットは大量生産システムの一部として使うこともできるが、汎用性の高さを生かし、少量多品種の現場で使うことも少しずつ増えてきた。センシング技術や人工知能技術の発展が、少量多品種生産のロボット化を後押しする。
統計データで見ても、ロボット導入は近年増加している。国際ロボット連盟(IFR)の発表によると、日本の22年の産業用ロボットの導入台数は前年比9%増加し、5万413台だった。これは新型コロナウイルス禍前だった19年の4万9908台を上回る台数だ。また全世界でのロボットの新規設置台数も増えており、22年は前年比5%増加。さらに23年から26年にかけては年間平均7%で成長すると予測されている。 ロボット導入は増加しているが、日本では生産年齢人口が100万人単位、長期的には1000万人単位で減っていく。年間5万台の新規導入では全く足りない。すべてがロボットで補えるわけではないが、ロボット導入が増える余地はまだまだ大きい。