[SIerを訪ねてvol.39] 見据える先にはチャレンジしかない/BRICS
コトの豊かさは計り知れない
BRICSには「ヒトリレーション事業部(ヒトリレ)」「エンジニアリング事業部」「モノづくり事業部」の3つの事業部がある。 ヒトリレは、祖業である人材派遣や職業紹介、人材教育などを手掛ける。 エンジニアリング事業部に、SIer事業は一つの機能として含まれる。同事業部は『商社』『SIer』『プラント工事』の3つの機能から成る。 モノづくり事業部は、量産以外の受託加工を手掛ける。内容はジグ(加工補助具)や試作が中心で、図面のない仕事がほとんどという。 会社の成長の時間軸としては、まずヒトリレとなる人材派遣事業があった。そして工業系を中心に商社としてさまざまな品物の売買に手を広げた。商社として動くうち顧客から部品加工の依頼も増え、そのニーズに応えるべく協力会社を確保して対応するようになった。そして協力会社だけでなく、自社でも部品加工の案件を内製できる体制として、モノづくり事業部を立ち上げた。 それから、ゼネコンで現場監督を経験した人材が入社したのを機に、機械器具設置工事業の認可を取得してプラント工事の機能も加えた。 21年には後継者不在から廃業しようとした協力企業のSIerを吸収合併し、SIerの機能も備えるようになり、商社、SIer、プラント工事の3つの機能をパッケージで提供できるエンジニアリング事業部を組織した。 現在は12期目で、正社員20人、客先に派遣している派遣社員は60人規模だ。創業以来、売上高も会社規模も順調に右肩上がりの成長を続けてきた。顧客は地元の静岡県東部(三島市や沼津市、長泉町、清水町、裾野市、御殿場市、富士市)がほとんどを占める。 「最終的な目標は、民間ではまだほとんどない職業訓練校の設立。人材教育の重要性をひしひしと感じている。日本にものづくりを元気なまま残すためには、エンジニアがいなくてはならない。そのためにちょっとは貢献したい」(清水社長) 3事業はそれぞれヒト(ヒトリレ)・モノ(モノづくり)・カネ(エンジニアリング)。「この3つがそろえば起こせる『コト』の豊かさは計り知れない。ただ、初めから狙ってやってきたわけでもない。顧客の困りごとに寄り添ってきた結果」と清水社長は振り返りつつ強調する。