2022.12.06
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[特別リポートJIMTOF2022 vol.4] 進化するアプリケーション

バイスで直接ワークをつかむ/シュンク・ジャパン

バイスをロボットハンドのように使うR-C2

 シュンク・ジャパン(東京都品川区、星野泰宏社長)は、「ワークピースオートメーションR-C2」をブースの前面でアピールした。  同社はロボットハンドのメーカーでもあるが、工作機械内で被加工物(ワーク)を把持するバイス(万力)のメーカーでもある。同社ならではのシステムがR-C2で、バイスをロボットハンドのように使用する。バイスをロボット先端に搭載してワークをつかみにいき、つかんだらそのバイスをそのまま工作機械に装着して加工する。ハンドチェンジャーなどを使えば、バイスとワークを搬送したロボットで、バリ取りや研磨をすることも可能だ。

「コンポーネントではなくアプリケーションを提案する」と話す星野泰宏社長

 「顧客が求めているのはシステムとしていかに使えるのかというアプリケーション。シュンクはコンポーネント(要素部品)のメーカーだが、コンポーネントの展示ではなく、アプリケーションの提案に力を入れる」と星野社長は話す。  本社併設のショールームも23年にはアプリケーション開発センター「CoLab(コラブ)」にリニューアルする予定だ。

音声操作できるAI標準搭載の協働ロボット/マルカ・ジーネット

日本語で音声操作ができる「MAiRA」

 フルサト・マルカホールディングスグループのマルカジーネットブースでは、ドイツのロボットベンチャー企業ニウラロボティクスの協働ロボット「MAiRA(マイラ)」を展示した。  人工知能(AI)を搭載しており、アーム先端のカメラで対象物を認識し、つかむ位置や角度を自動で判断して移動させる。画像認識の精度は高く、透明のペットボトルや背景と同じ色の対象物でも問題ない。  音声認識によって動作コマンドを指示することもでき、これまで音声指示は日本語非対応だったが、このほど日本語にも対応した。両手がふさがった状態でも「マイラ、グリッパーを閉じて」など音声だけでさまざまな操作ができる。

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 この他にも会場には数多くのロボットシステムが展示された。金属加工はロボットの活用提案が最も活発な分野の一つ。数年前まではロボットと工作機械を組み合わせた展示はそこまで多くなかったが、4年前の前回展と今回展で、ロボットと工作機械を組み合わせた提案は当たり前になった。製造現場の人手不足を背景に、こうした傾向は今後も当分は続きそうだ。  次回のJIMTOFは、2年後の24年11月5日~10日に開催予定。  また、JIMTOFがない年度に名古屋でニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)が開催する大型の工作機械展メカトロテックジャパン(MECT)2023でも、ロボットと工作機械を組み合わせた提案が多数披露される見通しだ。

――特別リポートJIMTOF2022終わり (ロボットダイジェスト編集部 曽根勇也、水野敦志)

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