[SIerを訪ねてvol.21]「加工」で自動車メーカー開拓/スターテクノ
リーマン機に体制見直す
創業は1972年で、今年50周年を迎えた。同社はもともとグループ企業の部品加工や組み立て業務を担い、2001年ごろからロボットシステムの製作に本格的に取り組み始めた。 ロボットシステム事業を始めてすぐに大手自動車メーカーから、自動車の樹脂部品の2次加工システムの引き合いがあった。樹脂に関する知識が多い技術者によるシステム提案が認められ、継続的な取引につながった。 しかし、09年にリーマン・ショックが起こり、自動車業界は大打撃を食らった。取引先の自動車メーカーも例外ではなく、生産や売上高は落ち込んだ。これを機に、同社は特定の取引先に依存していた従来の体制を見直し、他の自動車メーカーの開拓を進めて現在の顧客基盤を築いた。 山本課長代理は足元の景況感について「引き合いは非常に多く、農業など自動車以外の分野からの問い合わせも増えた。しかし、半導体や部品不足の影響もあり、ロボットシステムや生産システムの納期が読めない」と説明する。
スター精機との連携を強化
顧客と一緒にシステムを検証する場として、19年秋には本社工場内にショールーム「スターテクノラボ/アプリケーションセンター」を開設した。 現在はウェブを使ったPRにも注力しており、展示会や対面営業だけではリーチできない顧客にも自社の技術力を広く発信している。 同社は射出成形機用の取り出しロボットで知られるスター精機(愛知県大口町、塩谷陽一社長)のグループ企業で、塩谷社長は両社の社長を兼任する。 スター精機にはロボットハンドやツールチェンジャーなどを手掛ける「アインツ事業部」がある。そのためスターテクノは今後、スター精機との連携をさらに強化し、相乗効果を狙う考えだ。 山本課長代理は「展示会では既にブースを隣同士で構えて製品や技術をPRしているが、両社の結び付きをこれまで以上に強化したい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)