[SIerを訪ねてvol.15]けん玉だけじゃない! DXで未来を開く【後編】/マクシスエンジニアリング
さらに、近い将来には、接触型と非接触型を融合した自動検査システムの新規開発も視野に入れている。 iREX2019には4小間で出展し、上記2つの新商品とけん玉ロボットを展示した。装置営業部の中川勝統氏は「ありがたいことに、非常に多くの人がわが社の小間に来場した」と振り返る。 現在は、サンプル品を持ち込めば、ねじ穴検査ロボットシステムやホロ照明ユニットを使った検査を無料で試せる「テスティングキャンペーン」を実施している。
デジタル支援型のSIerに
また、浅野常務は自社の独自性を打ち出すために「デジタル支援型のSIerを目指す」との将来像も掲げる。「わが社はCAD(コンピューター支援設計)ソフトウエアなどのデジタルデータを扱う人間が多い。全社を挙げてデジタル化の市場要求に応える装置の提案ができれば大きな強みになる」と説明する。 iREX2019でねじ穴検査ロボットシステムやホロ照明ユニットを披露したのも、この将来像の実現に向けた戦略の一環だ。 ねじ穴の検査や部品の外観検査は従来、人手に頼るところが多く、測定結果を紙に手書きするなど、その管理手法もアナログだったという。これに対し、同社の商品を利用すれば、測定結果をデジタルデータとして管理できるようになる。浅野常務は「設計データと実測値のデータを照合した時に誤差があったとしても、デジタルデータなら原因を追究しやすい。現場をデジタルデータでつなげれば大きな強みになる」と語る。 浅野常務は「受注に対して最適なソリューションを提供するのは当然で、ここおろそかにするつもりはない」と断じる。「既存顧客に対しては、引き続きメリットのある提案をして需要を取り込む。同時に、新規市場や新規顧客に対しては自社ブランド製品やデジタルデータの活用など独自性の高い提案を積極的に発信したい」と意気込む。
――終わり (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)