2020.02.12
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本気で協働ロボ用ハンドの世界シェアトップへ/シュンク・ジャパン

開封から30分で使える

「コアクトEGH」は周辺機器もセットになっている

 コアクトシリーズの新製品は、他にもある。日本では昨年12月に発売した「コアクトEGH」だ。スターターキットとして、周辺機器もセットで販売するのが特徴。川村マネージャーは「箱を開けてから30分で使い始められる」とアピールする。  開閉ストロークは最大80㎜で、最大3kgまでの対象物を搬送できる。スターターキットには形状の異なる3種類の爪やソフトウエアの入ったUSBメモリー、作業用の工具などが付属する。

初心者向けに選択肢を限定

カスタマイズできるハンドシステムの概略図

 UR製協働ロボット専用のカスタマイズできるハンドシステムも提案する。  電動式や空圧式の汎用ハンド、コアクトなどさまざまな仕様のハンドに、ハンドの自動交換装置やセンサーなどを自在に組み合わせることで、性能を付け加える。その組み合わせは最大で36通りになる。  川村マネージャーは「URの協働ロボットは、初めてロボットを導入する人にも人気がある。必要な機能を自在に追加できるロボットハンドにより、ロボット初心者の迷いを軽減できれば」と狙いを話す。

今後は日本発の先進的な事例を

微小な出っ張りをそぎ落とすアプリケーション

 会場では、シュンクの自社工場でのロボットの使い方も展示した。ハンド部品のバリ(加工時にできてしまう小さな突起)をそぎ落とす作業にロボットを使う。  協働ロボットが部品を把持し、バリ取り用の器具にこすりつける。従来は人手で作業していたが、バリ取り用器具が鋭利なため、指先にけがをする危険があった。そこで協働ロボットを導入し、前後工程は人手のまま、そぎ落とす作業のみを自動化した。  川村マネージャーは「すべてを自動化する必要はない。安全柵が不要で、人の近くで作業できる協働ロボットならではの使い方」と強調する。  日本法人の谷本社長は「今回の国際ロボット展全体を見ても、協働ロボットの提案が一気に増えた。今後の市場は間違いなく広がる。今回は海外での事例をブースで紹介したが、日本でも先進的な事例を生み出したい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

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