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2019.05.29
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[SIerを訪ねてvol.8]ウォータージェットで事業拡大!今後は脱ファブレスへ【後編】/ROSECC

ビジョンセンサーの使い方を模索

ショールームの風景。19年7月1日にはばら積みピッキングのデモシステムも新たに展示する

 人材の確保や組織体制の整備だけではない。矢本社長は「営業方針も変えた。今まで得意としてきたWJシステム以外の技術領域の開拓に力を入れる」は述べる。    中でも注力するのが、ビジョンセンサーの活用だ。  ロセックは2年ほど前から有効な使い方を模索している。最近は特に、ビジョンセンサーを搭載したロボットがばらばらに積まれた部品をピッキングするばら積みピッキングシステムの技術開発に取り組む。  その一環として、大手測定機メーカーのキーエンスの3次元(D)ビジョンセンサーの取り扱いを始めた。19年7月1日には、三菱電機のロボットにキーエンスの3Dビジョンセンサーを取り付けたばら積みピッキングのデモシステムを自社ショールームに設置する。デモシステムを社内で検証することでビジョンセンサーの活用法を自社内に蓄積する。得られたノウハウを基に、顧客がビジョンセンサーを使ったロボットシステムをしっかりと運用できるよう支援する考えだ。

売上高は右肩上がり

矢本社長は、今期を「“準備の準備”の年」と捉える

 ロセックの決算月は3月。19年3月に18年度の決算を締め、4月から19年度を迎えた。  「18年度は売上高を上げることに力を入れた」と矢本社長が話すように、18年度の売上高は前年度比約11%増の8億2000万円を記録した。  直近3年度の売上高は右肩上がりで推移しており、事業は着実に拡大している。  矢本社長は、今期の19年度を「“準備の準備”の年」と捉える。つまり、今期から2カ年で準備を進める考えだ。  矢本社長の言う「準備」とは、人材の確保と組織体制の整備のこと。ビジョンセンサーの活用などのWJシステム以外の技術領域の開拓と並行しながら、採用活動に引き続き注力する。  「4年後に従業員数を50人に増やすのは簡単ではない。しかし、今後は人手が余ってくるのではと考えている。働き方改革の影響でコンビニなどの24時間営業を廃止しようとする動きがあり、働く場所が減るからだ。こういう時代の流れも追い風にして、何とか上手く人材を確保したい」と矢本社長は意気込む。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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