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2019.04.18
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世界最大規模の見本市! 最先端の自動化技術とは?/ハノーバーメッセ2019【前編】

「どう使うか」を主眼に

ユニバーサルロボットは用途別に協働ロボットの実践的な活用法を提案

 5Gを筆頭としたデジタル化の技術以外にも、スマートファクトリーを構成する要素技術は数多い。その一つが、ロボットなどを使った自動化技術だ。  今回展では、自動化技術の提案も花盛りだった。特に、人と一緒に働くことのできる協働ロボットが大きなトレンドの一つとして脚光を浴びた。  会場では「協働ロボットをどう使うか」を主眼に置いた展示が目立った。  デンマークの大手協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボットは、独自の認証制度「UR+」で認証した周辺機器と自社製品を組み合わせ、協働ロボットの実践的な活用法を用途別に提示した。  担当者は「自社製品だけではなく、周辺機器もしっかりとPRする。現状ではUR+で認証された周辺機器は145製品だが、今年中に倍増する」と意気込む。  デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、中川弘靖社長)も協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」の活用事例をアピールした。ねじ締めのデモや、ディスペンサー(液体などを安定的に供給する装置)を搭載したコボッタが球体に絵を描くデモなど、コボッタの具体的な使い方を来場者に示した。  「協働ロボットは2年ほど前からトレンドになっている。現在の課題は『協働ロボットで何ができるか』。当社は今回、それを分かりやすく提示した」とFA・ロボット事業部の澤田洋祐製品企画室長は説明する。

大きな注目を集めたABBの自動化システム

 双腕型の協働ロボット「YuMi(ユーミィ)」を手掛けるスイスのABBは小間の中央で、ユーミィ2台と垂直多関節ロボット2台、スカラロボット1台の計5台のロボットで構成された自動化システムを展示した。  腕時計のベルトの組み付けから梱包、検査、積み付けまでを自動化した。腕時計のベルトの色や形状のオーダーを受けると、各ロボットがそれぞれの担当業務を遂行し、指定通りの腕時計を完成させる。  2台のユーミィは、腕時計の本体部分にベルトを巻き付ける作業と完成した腕時計を梱包する作業をそれぞれ担った。2本の腕を器用に使う様子に多くの来場者が注目した。この他、スカラロボットは腕時計の本体部分と指定されたベルトの搬送、2台の垂直多関節ロボットは検査と積み付けを担当した。

新製品で来場者の関心集める

 協働ロボットの新製品を披露し、来場者の関心を集めた企業もあった。  安川電機は可搬質量20kgの協働ロボット「MOTOMAN(モートマン) HC20」を初披露した。「日本では夏ごろのリリースを予定する」と担当者は言う。  黄色がイメージカラーのファナックは、小間の中央付近に“緑色”のロボットを集中配置した。ファナックは協働ロボットの外観色を黄色ではなく緑色にし、通常のロボットとの違いを視覚的に示している。  緑色の協働ロボットの展示の中でも、「NEW」のマークが付いた「CR-14iA/L」に大きな注目が集まった。可搬質量14kgで、最大リーチ長さは911mmを誇る。  会場では、独自開発のビジョンセンサーと組み合わせて、箱の中にばらばらに置かれたブロックを積み上げるデモを披露した。

安川電機の協働ロボットの新製品「モートマンHC20」
ファナックが披露した緑色の協働ロボットの新製品「CR-14iA/L」

気になる展示が目白押し

 これまではハノーバーメッセ2019で脚光を浴びた協働ロボットの展示を紹介した。後編では、協働ロボット以外の自動化提案もリポートする。「樹脂製のロボット」「空飛ぶじゅうたん」など、気になる展示が目白押しだ。

――つづく (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

※「月刊生産財マーケティング2019年5月号」でもハノーバーメッセの概要をお伝えしています。 関連記事:世界最大規模の見本市! 最先端の自動化技術とは?/ハノーバーメッセ2019【後編】(4月19日アップ予定)

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