［注目製品PickUp!vol.12］２m四方のサイズも‼ カスタマイズ自在な真空グリッパー【後編】／シュマルツ「SPZ／SSP」
展示会での顧客との対話が重要
同社は近年、展示会に積極的に出展する。今年は月に１度のペースで出展する予定を立てた。ゲッテゲンス社長は「潜在的な顧客とも直接話せる重要な場。真空機器は汎用品で対応できる範囲が限られ、用途に合わせて作り上げなければならない。用途に合わせるためには、まずは対話をして顧客の課題を見つけるのが、何よりも重要」と意図を明かす。 エンジニアリング事業を始める前までは、売り上げの大半が部品販売だった。販売先もシステム構築が自社で可能な自動車関連企業の生産技術部や設備メーカー、SIerなどに限られた。しかし、エンジニアリング事業を始めたことで、顧客に直接ソリューションを提案し、システムとして販売できるようになった。
今後はモノのインターネット（IoT）対応がさらに要求されるとゲッテゲンス社長は考える。同社は現在でも、真空状態にする装置（エジェクター）や空気圧センサーなどの情報をデータ化し、吸着状況の監視やエネルギー消費量を低減するシステムを提供する。空気漏れの量などからパッドやスポンジの消耗や機器の不具合を検知して予知保全もできる。 既にIoTシステムまで導入した事例では、板金加工の搬送システムで吸着ミスの減少や省エネ化、予知保全による機器の故障やダウンタイムの減少により年間１億円ほどの導入効果があったという。 同社がエンジニアリングを担当すると、一貫したシステムを構築できIoTへの対応もしやすい。エンジニアリング事業は、今後のIoTの普及を見据えた選択でもある。「メカも電気制御も情報通信にも対応できるエンジニアリング組織を整えた。今後も強化したい」とゲッテゲンス社長は意気込む。
――終わり （ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜）
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