2018.11.01
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[特別企画:これなら簡単“パッケージシステム”]外観検査は人型ロボットで/デクシス「外観けんた君」

展示会で手ごたえ

展示会で大きな注目を集める外観けんた君

企画担当者が2015年にユーミィを見てこの製品をひらめいた。  その後ものづくり補助金も使い開発を進め、16年7月に開催された展示会「インターフェックス」や、17年1月の「ロボデックス」に参考出品。同年7月のインターフェックスで正式販売にこぎつけた。    展示会に参考出品すると、自動車や半導体関連から引き合いがあり、内容は多岐にわたった。受注に結び付く案件は少なかったが、それでも外観けんた君のようなシステムのニーズがあることは分かった。  「潜在顧客は多い。従来の外観検査は、決まった物を、決まった場所で、決まった距離で測るだけ。ロボットの手で製品をつかめば、見る角度を変えたりとフレキシブルに対応できるため、大きな需要が期待できる」と佐川部長は話す。  画像処理の技術は自社で開発し、同社が「マルチベクトルサーチ」と呼ぶ独自のアルゴリズムを採用。設定にかかる時間を大幅に短縮でき、学習機能により検査精度も高められる。オプションでエリアカメラやオートフォーカスなども用意し、検査の対象物に合わせた最適なカメラを選定できる。

SIerが立ち上げやすい

外観けんた君を使って高度な自動検査システムを作るには、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれる専門のエンジニアリング会社にシステム構築を委託する必要があるが、「パッケージとして用意することで、SIerがシステムを立ち上げやすい。幅広い分野で使えるので、それぞれのSIerが得意な業界で活用してもらえれば」と佐川部長は言う  すでに数件の導入事例があり、進行中の案件も多数ある。現場に合わせた個別対応のため爆発的な導入はないが、着実に実績を積み上げている。  これまで実際に導入に至ったのは、樹脂製容器や金属製部品の外観検査だ。  ロボットの可搬重量がハンドを含め片腕265g以下のため、小物部品がターゲットになる。金属部品などでは可搬重量の関係で導入が難しいケースもあり、今後は大型化も視野に入れるという。  「日本では人手不足が課題。全てを代替できずとも、半分でも代替できたら有用」と佐川部長は強調する。

(ロボットダイジェスト編集部)

※この記事は「月刊生産財マーケティング」2018年2月号に掲載した内容を再編集したものです。

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