中国ROKAEと代理店契約を締結、SIer事業の方針を大幅転換/IDECファクトリーソリューションズ
協働ロボットに特化したシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のIDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市、藤木勝敏社長)が、SIer事業の大幅な方針転換に乗り出した。従来は多様なメーカーの協働ロボットを使用して自動化システムを構築していたが、昨年11月に中国の産業用ロボットメーカーの珞石機器人(ROKAE<ロッケー>)の販売代理店となったのを機に、ROKAEの協働ロボットを拡販するプロジェクトチームを発足。中小企業の人手不足の課題解決に向け、今後はチーム全体でROKAEの協働ロボットの普及に努める構えだ。
中小企業向けに協働ロボットを
中小企業の人手不足の課題を協働ロボットで解決したい――。
IDECファクトリーソリューションズがこうした思いを原動力に今年度から本格的に展開するのが、中国のROKAEの協働ロボットを拡販するプロジェクトチーム「ROCEY TEAM(ロッキーチーム)」だ。
IDECファクトリーソリューションズはROKAEの日本法人、ROKAE精機(東京都港区、王少飛社長)と昨年11月に販売代理店契約を締結し、ROKAEの協働ロボットの国内販売に乗り出した。
ROKAEは2015年の創業で、中国の山東省に本社を構える新興ロボットメーカー。産業用ロボットの製造から始まり、19年には協働ロボット市場にも進出した。現在は可搬質量3kg~5kgの「SR-Cシリーズ」と、同7kg~45kgの「CR-Cシリーズ」の2種類の協働ロボットをラインアップする。「SR-Cシリーズはサービス用途、CR-Cシリーズは製造現場など産業用途を想定している」とIDECファクトリーソリューションズの武仲清貴取締役最高執行責任者(COO)は話す。
ROKAEの協働ロボットの大きな特徴は、両シリーズとも全軸に力覚センサーを標準搭載する点だ。安全性が高い上に、歯車のはめ合いや精密研磨といった高度なアプリケーション(応用的な使い方)にも対応できる。また、軌跡精度や位置決め精度などロボットの制御技術の高さにも強みを持つ。
減速機やモーターといった主要構成部品は自社の厳しい設計基準を満たした物だけを中国内で調達しており、両シリーズを高品質かつ低コストで販売できるという。「ROKAEの協働ロボットはハイエンドな領域を狙っており、100万円以下で購入できる中国製の安価な協働ロボットとはすみ分けが明確だ。また、全軸に力覚センサーを搭載した欧州や日本のハイエンドな協働ロボットと比べるとコストパフォーマンスが高い」と武仲取締役COOは強調する。