[ロボットが活躍する現場vol.42]高いハードルを乗り越えて溶接を自動化/いしぐろ造形工房
いしぐろ造形工房(石川県小松市、金田和歌社長)は、スチール間仕切りや建築金物、産業機械のカバーに使われる薄板の溶接用途で今年2月に協働ロボットを導入した。「製造業は人手を集めにくいが、溶接分野はその傾向が顕著」と金田社長は言う。人手をロボットに置き換えるだけでなく、作業効率を向上できるよう改良を続ける。
人手不足の溶接作業に光明
まるで人のように溶接する
協働ロボットはファナックの「CRX-10iA」を使っているが、システムインテグレーションを担当したのはいしぐろ造形工房と同じく、北陸地方に本社を構える産業機械メーカーのスギノマシン(富山県滑川市、杉野良暁社長)だ。 スギノマシンとリンクウィズ(浜松市中央区、吹野豪社長)が共同開発した独自のシステムで溶接対象物(ワーク)の形状をスキャンし、解析する。ワークごとの形状のばらつきを補正しながら溶接できるため、溶接品質の一定化に貢献する。 「人の手で溶接する時はワークに合わせて柔軟な微調整ができるが、ロボットで同様の作業をさせるのは非常に難しい。スキャンデータの解析、補正システムを使うことで、人の手でするような溶接ができるようになった」とスギノマシンのシステムインテグレーション担当者は言う。 また、スギノマシンが開発したシミュレーションソフトウエア「CROROROS(クロロロス)」で、溶接プログラムを事前に作成、シミュレーションする。「クロロロスはこれまでロボットになじみがなかった女性社員でも直感的に操作でき、扱いやすさに優れる」と金田社長は話す。