[SIerを訪ねてvol.69]物流DXの難所に挑む/アイオイ・システム
デジタルピッキングシステム(DPS)で国内トップシェアを誇るアイオイ・システム(東京都品川区、吉野豊社長)が、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)としても存在感を強めている。特に物流現場に狙いを定め、世界各地の導入実績で培った知見を基に、作業者と自動化機器が連携する「セミオートメーション」を提案する。吉野社長は「多くの現場で課題となる、自動化機器から人へ物を受け渡す際の効率化の提案に力を入れる」と語る。
段階的な自動化を
倉庫から商品を取り出すピッキング作業の際、棚のどこに目的の商品があるかを点灯して知らせるのが表示器だ。アイオイ・システムは表示器メーカーであり、表示器を使ったDPSの国内トップメーカーとして業界をけん引する。グローバルでの導入実績が5000件以上、表示器の出荷台数が700万台以上にも上る同社は現在、メーカーの枠を超えてSIerとしての事業も拡大している。
物流現場では、消費者ニーズの多様化に伴う商品種類の増大や人手不足が課題となり、物流のデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が高まっている。吉野社長は「今や、物流DXに着手しなければその企業の事業継続に関わるほどに業界が差し迫った状況にある」と指摘する。
ピースの取り扱いの難しさ
物流現場での作業は入庫や検品、仕分け、ピッキング、棚卸し、出荷など多岐にわたる。個々の商品の最小単位を「ピース」と呼び、同社は特にこのピースの仕分けやピッキングの領域を得意とする。
商品を段ボール箱やパレット(荷役台)ごと搬送する作業の自動化が進む一方、ピースの取り扱いは現状ではまだロボットにとって苦手な作業といえる。不定形の商品はつかみづらく、加えて作業スピードも必要となり、ロボットでこれらの条件をクリアするのは容易ではない。
そのため一般的な自動倉庫や、ロボットが商品を作業者の手元まで運ぶ「グッズ・トゥ・パーソン(GTP)」式のシステムでも、ステーションでは人手で商品の移し替えなどをする。その場合は人為的なミスが発生し、誤出荷につながる可能性が生まれてしまう。
そこで同社のDPSなどのソリューションが強みを発揮する。ステーションに表示器を取り付け、ロボットが運んできた商品をどこに移し替えれば良いか示すことで、作業ミスを防止できる。

