要望取り入れ開発加速、製造業の展示会が複数開催
7月9日~11日の3日間、関東各地で複数の製造業関連の展示会が開催された。金属加工業界向けには、ロボットを導入した現場から出てきたニーズに応える新製品が多くみられた。また医薬品や化粧品の製造現場に対しては、さらに自動化を広げるべく出展者各社が自動化実績を示しながら来場者へ提案した。
可搬質量3倍、走行時間も短縮/シナノケンシ
千葉市美浜区の幕張メッセでは、7月9日~11日に製造業向け専門展「ものづくりワールド」が開かれた。ばら積みピッキングや画像検査などのデモシステムが並ぶ中、工場内の工程間搬送を自動化する自律走行型搬送ロボット(AMR)や無人搬送車(AGV)の出展が目立った。
シナノケンシ(長野県上田市、金子行宏社長)は新型のAMR「Aspina(アスピナ)AMR300」を参考出展した。可搬質量が300kgと、従来機種の可搬質量100kgから3倍になった。本体サイズは幅600mmと変わらず、奥行きもわずか200mm大きくなっただけで、小回りが利く特徴を維持する。従来は走行中に曲がる際、その場で回転して方向を定めてから動いていたが、新たにカーブしながら走行できるようにして走行時間を短縮した。
「従来機種も、無償のソフトウエアの更新でカーブ走行を実装できる。可搬質量や走行方式など、アスピナを導入した現場からの要望を開発に反映している」とマーケティング課の宮下秀一係長は話す。同製品は今年10月の発売を予定する。