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2023.05.17

連載

[注目製品PickUp!vol.53]ソフトで柔軟にシステム構築/モベンシス「WMX3」

ロボットダイジェスト編集部が注目したロボット関連の製品を紹介する「注目製品PickUp!」。今回は、韓国に本社機能を置くソフトウエア企業であるモベンシスの、ソフトベースのモーションコントローラー「WMX3」を取り上げる。専用のハードウエア機器やケーブルが必要なく、モーション・コントロール・システムの構築がハードベースよりも容易になる。日本法人(東京都立川市)の佐藤恭祐社長は「柔軟なシステム構築の他、ハード面の調達リスクの高まりもあり需要が伸びている」と話す。

ソフトで柔軟にシステム構築

 モベンシスの「WMX3」は、ソフトベースのモーションコントローラーだ。
 一般的なモーションコントローラーでは、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)や特定用途向け専用集積回路(モーションボード)などのハードウエア機器や、専用の通信ケーブルなどが必要で、それらを通してサーボモーターを動かすサーボドライバーをコントロールする。
 しかしソフトベースならば、産業用パソコン(PC)とサーボドライバーをつなぐだけで専用のハード機器が要らず、産業用PCでの操作だけで柔軟にシステムを構築できる。

「今後ロボット向けの提案にさらに力を入れる」と話すモベンシス日本法人の佐藤恭祐社長

 「現状では半導体製造装置での採用実績が多いが、今後ロボット向けにさらに力を入れる」と日本法人の佐藤恭祐社長は言う。
 ロボット向けソリューションとしては2つある。
 まず、モーションステージとロボットを1台の産業用PCでコントロールできること。そして、市販の汎用ロボットを使わない内製ロボット向けのコントローラーとしてシステムを構築できること。
 前者の場合、通常モーションステージを制御するためのコントローラーとロボットコントローラーをそれぞれ用意しなければならないが、それをWMX3搭載の産業用PC1台に集約して制御することで、コスト削減やデータ収集分析が容易になる。また、後者の内製ロボットシステムの場合、ハードをそろえるのは比較的容易だが、ユーザー自身が制御システムの構築をするのは容易でないため、メリットは大きい。

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