来場者7万7000人超! 少量多品種の現場にも自動化を/メカトロテックジャパン2023(1/3)
オープンイノベで多品種・異形状に対応/FUJI
工作機械を使う金属加工の現場では以前から自動化の取り組みが進んでいるが、いま改めてロボットに大きな注目が集まっている。従来の自動化機器では対応しにくかった多品種少量の生産現場を、ロボットで自動化する提案が増えている。
従来の自動化は「段取り(事前の各種セッティング)をしておけば、あとは機械がやってくれる」だったが、多品種少量の現場では段取り替えの手間も大きく、そこをいかに省人化するかが課題となっている。
この課題に対し、業界の一歩先を行く提案をしたのが工作機械やロボットを製造するFUJIだ。同社は、オープンイノベーションで多品種・異形状のワーク(被削材)の加工の自動化を提案した。自社製の旋盤と垂直多関節ロボット「SmartWing(スマートウィング)」に、米国の人工知能(AI)企業Voaige(ボイジー)のAIビジョンシステムと、東北大学の多田隈研究室の多用途ピッキングハンドを組み合わせた。
AIビジョンシステムによりワークの事前登録が不要で、複雑な異形ワークでもどこをどのように把持すればよいかロボットが自ら判断してワークをつかむ。
多用途ピッキングハンドは、軟らかくワークを包み込んだ後に硬化することでワークを把持する技術。2爪ハンドの爪の片側だけにこの技術を応用することで、正確な位置での把持と多様なワークへの対応を両立した。
「段取り替えなしに多品種・異形ワークの加工を自動化できる」と担当者は言う。