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2023.06.06

[特集 工場物流を刷新せよ!vol.4]ワーク着脱から工場物流まで、変種変量生産の自動化に威力/DMG森精機(1/3)

自動化システムの製品群を豊富に持つDMG森精機は近年、ワーク着脱から工場物流まで自動化できるソリューションの提案に力を入れている。その中核となるのが、協働ロボットと自社開発の自律走行型搬送ロボット(AMR)を組み合わせた「WH-AMR」だ。WH-AMRは生産ラインの構成や生産形態に合わせて柔軟に運用できるのが特徴で、特に変種変量生産の自動化に威力を発揮する。

トータルで57種類の製品群

DMG森精機が提供する主要な自動化システムの製品群(提供)

 DMG森精機の自動化システムの製品群はトータルで57種類にも上る。ワーク(被加工物)ハンドリングからパレットハンドリング、工具ハンドリングまで豊富なラインアップを持ち、多様な自動化ニーズに対応できる。ワークハンドリング用の自動化システムだけを見ても、多品種少量生産や変種変量生産の自動化を実現する手押し台車式の協働ロボットシステム「MATRIS Light(マトリスライト)」や量産加工に最適なガントリーローダー「GXシリーズ」など、各生産形態に合わせた製品群を展開する。

 また、奈良県大和郡山市のシステムソリューション工場では、工場物流まで踏み込んだターンキーシステムをはじめとした大規模な自動化システムの構築を手掛ける。
 要素技術開発担当兼自動化システム担当の入野成弘執行役員は「大企業向けのターンキーシステムの需要は今後も増加する見通しで、システムソリューション工場の増築を現在進めている。一方、中小企業向けには既存の生産ラインにも導入しやすいマトリスライトが好評で、多くの引き合いがある」と語る。

 世界的な労働力人口の減少や生産性向上、生産形態のシフトなどの各種課題を背景に、同社は自動化システムの拡販を強化している。だが、やみくもに自動化システムを売り込むのではなく、まずは複数の工程を1台にまとめる工程集約から提案するのが基本戦略だ。入野執行役員は「工程集約をすれば、自動化やデジタル化も進めやすい。工程集約、自動化、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を通じ、より付加価値の高いソリューションを提供するのが重要」と話す。

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