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2023.02.24

溶接ロボット用コントローラーをリニューアル/パナソニックコネクト

 溶接ロボットシステムを手掛けるパナソニックコネクト(東京都中央区、樋口泰行社長)は2月16日、同社の溶接電源融合型ロボット「TAWERS(タワーズ)」向けの次世代コントローラー「G4コントローラー」を発売した。旧型の「G3コントローラー」を2010年に発売して以来、約12年ぶりの刷新。処理能力やメモリ、インターフェース、制御プログラムなどハード、ソフト両面で大幅に性能が向上した。

「G4コントローラーで生産性向上と品質安定化に貢献する」と池谷啓司事業総括

 熱加工システム事業の池谷啓司事業総括は、大阪府豊中市にある豊中事業所で開催された新製品発表会で「変化するものづくりの現場に対応するためには、ソフトの進化だけでなく、将来のシステム化を見据えた優れたハードが必要になる。ロボット溶接の核となるG4コントローラーには、パナソニックグループの最新技術を多数搭載した」と話す。

黒いきょう体がG4コントローラー

 まず、緻密な加減速制御によりロボットの各軸の最高速度が、従来のG3コントローラーに比べ最大27%向上した。また、溶接加工中のアーク(放電により発生するプラズマ)を安定させることで、「スパッタ」と呼ばれる溶接部周囲への金属粒の付着を、従来比で最大6割程度低減する。
 アーク・ロボティクスソリューション開発部の相見圭部長は「スパッタは除去などの手直しが必要になることもあるため、溶接に関するニーズとしては大きい」と話す。
 また、データ通信の国際標準規格「OPC UA」に対応し、同じOPC UA対応機器であれば、上位システムや周辺機器と容易に接続できる。

  • 新製品発表会では、加減速制御の改善により55秒の溶接作業が1.5秒短縮するデモを披露した

  • 制御にG4コントローラーを組み込んだ加工サンプル(写真左)にはスパッタが見当たらない

 今後は「現在G3コントローラーを使用中のユーザーに対する置き換えとともに、新規ユーザーにもTAWERSと組み合わせたロボット溶接を提案していきたい」(池谷事業総括)と話し、販売に力を入れる。月間生産台数は2200台を計画する。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

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