[活躍するロボジョvol.7]次につなげるパスを/バイナス 服部百恵さん
ロボット業界で活躍する女性にスポットを当てた連載「活躍するロボジョ」。7回目はバイナス(愛知県稲沢市、渡辺亙社長)で、展示会や製品カタログなどを通じて大学や工業高校にロボットやファクトリーオートメーション(FA=工場自動化)関連の実習装置をPRする服部百恵さんを紹介する。展示会では、ブースや装置の設営から操作デモ、接客まで一人で担当する。「一人でも多くの人と名刺交換をし、会社の知名度を高めたい」と話す。
全国各地の展示会に一人で
入社5年目の服部さんが所属する営業部では、大学や工業高校といった教育機関向けにロボットやFA関連の実習装置を販売する。
服部さんは営業事務として見積書の作成や受注処理、カタログやホームページなどを通じた情報発信を担当する。
メイン業務の一つが、工業高校などが主催する展示会に出展し、産業用ロボットのプログラミングやティーチング(動作を覚えさせること)のスキルを習得できる実習装置「Robo-Trainer(ロボトレーナ)」をPRすることだ。
現在は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で展示会が開催されていないが、コロナ禍以前は年に4回、関東や甲信越、九州など全国各地の工業高校で開かれる展示会に参加していた。
展示会に出向くのは服部さんだけで、ブースや実機の設営から、操作デモ、チラシ配り、相談を含めた接客、実機の撤収まで全て任されている。
学校の先生をはじめ、多くの来場者が一堂に集まる展示会は、バイナスを知ってもらえる絶好の機会だ。
「会社や商品の知名度を上げるため、一人でも多くの人と名刺交換したいです。そこから営業担当者に上手くパスをつなげたいです」と意気込む。
服部さんは商業高校出身で、簿記やエクセルの数式には詳しいが、ロボットをはじめとしたFA関連は全くの素人だった。
講習会に参加したり、営業部内で毎月実施する勉強会で講師役の上司に教わったり、時には服部さん自身が講師になったりして、少しずつFA関連の知識を増やした。日々の業務で習得した知識が、展示会でも生きているという。
会場では、その場で回答できない専門的な質問が来ることも多い。「即答できない場合は社内に持ち帰って上司に教えてもらい、確実な情報を後日必ず伝えるように心掛けています」と述べる。
「工業高校の先生方は知識が豊富ですが、私はまだまだ知識不足なので、自社商品の特徴をもっと勉強しなければなりません。まずは、FAの基礎になるシーケンス制御(事前に決められた順序で処理を進める制御方法)作業の技能検定に挑戦したいです」と意気込む。
同社は今年、デジタル技術を活用して事業を変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」時代に向けて開発した、協働ロボットと人工知能を学ぶ学習装置を新たに2つ発売した。「コロナ禍が落ち着いたら、早く展示会で新商品を披露し、来場者の反応が見たいです」と語る。