生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2021.06.17

物流向け統合ソフト開発、トラスコ中山の次世代拠点に導入/GROUND

左からトラスコ中山の中山哲也社長、GROUND宮田啓友社長、トラスコ中山直吉秀樹取締役物流本部長

人工知能(AI)や搬送ロボットを活用した物流システムを提供するGROUND(グラウンド、東京都江東区、宮田啓友社長)は6月15日、物流施設向けの統合管理・最適化システム「GWES」を開発したと発表した。トラスコ中山が新設する物流施設に導入し、次世代型物流システムを構築する。

「プラネット愛知」に初導入

「GWESで次世代型物流施設を構築できる」とGROUNDの宮田社長

 GROUNDが開発したGWESは、物流施設内のさまざまなソフト・ハードと連携して在庫量や進ちょくを管理し、ピッキングロボットの最適制御などを実現するソフトだ。出荷実績を分析し、倉庫内の配置や在庫量を最適化する独自のAIソフト「DyAS(ディアス)」を発展させ、機能を拡充して開発した。
 「GWESにより、われわれの目指す次世代型の物流施設の構築が可能になった。ロボットや各ソフトだけでは部分最適だが、GWESがあれば全体最適が図れる」と宮田社長は語る。

 また、GWESの最初の導入先として、機械工具卸のトラスコ中山が愛知県北名古屋市に新設する2024年稼働予定の物流施設「プラネット愛知」のシステム構築を手掛けると発表。同施設は敷地面積4万㎡超、倉庫面積8万㎡超、100万品目を在庫できる大型施設だ。

トラスコによる出資も

「タッグを組んで物流をさらに強化する」と話すトラスコ中山の中山哲也社長

 GROUNDはトラスコ中山を引受人とする第三者割当有償増資を実施し、5億円の資金調達も実施する。トラスコ中山の中山哲也社長は「一般に在庫は減らすべきと言われるが、製造業向けでは即納することが最も重要。わが社は『在庫は成長のエネルギー』と考えて積極的に在庫し、物流機能を強化してきた。物流をさらに高度化するには、この男(=GROUNDの宮田社長)の力が必要」と資本参加の理由を語る。

 GROUNDは調達した資金を活用し、次世代型の物流施設を実現するための開発やAIを使った物流向けソフトの研究、営業・販売体制の強化などを進める考えだ。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)




関連記事:R&Dセンターを拡張、搬送ロボの実演エリアも/GROUND

TOP