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2021.01.19

性能高く値段は「そこそこ」、ロボット用3Dカメラ発売/東京ロボティクス

東京ロボティクス(東京都新宿区、坂本義弘社長)は1月15日、3次元(D)カメラ「Torobo Eye(トロボアイ)SL40」を発売した。縞模様など決まったパターンの光を照射し、その歪みを検出して奥行きを計測するストラクチャードライト(SL)方式の製品だ。容器に乱雑に入った物をつかみ上げるばら積みピッキングや、外観検査などの用途に使用できる。

手首取り付けに最適

ロボットの手首に取り付ける3Dカメラ

 SL40は、ロボットの手先・手首部分に取り付けるための3Dカメラだ。カメラヘッドは手のひらサイズで、重量は460g。
 1秒当たり10枚の画像を取得でき、これは業界最速クラスという。高速モードで1回計測する場合の所要時間は150ミリ秒。
 計測の精度も高く、奥行き情報のある画像とカラー画像を同時に撮影できる。

奥行きや色の情報を同時に取得

 販売価格は100万円~130万円程度で調整中。初年度50台、翌年以降は100台以上の出荷を目指す。
 「一般的な高精度3次元カメラはとても高価。一方、非常に安価な製品もあるが性能が低く、現場では使えないことも多い。システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などに聞いても『十分な性能があり、そこそこの価格のものがあれば』との声があり、それを目指した」と坂本社長は語る。

「手のひらサイズの大きさ」と坂本義弘社長

 2月16日~18日の午前には、事前予約者を順々に同社に招いて社内デモ会を実施。千葉市美浜区の幕張メッセで3月9日~12日に開催予定の「国際食品・飲料展(フーデックス)」にも出展し、同製品を披露する。

 「わが社はこれまで研究室向けのロボットを開発してきたが、トロボアイは製造現場にも提案する。顧客からの要望に応じて、他の計測方式や、据え置き型の製品なども検討したい」と坂本社長は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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