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2020.03.27

連載

[沖縄ウィークvol.5]デジタル技術とロボットを根付かせるには⁉/沖縄県工業連合会 我謝育則専務理事(1/3)

沖縄県の自動化ニーズの現況を1週間にわたり紹介する「沖縄ウィーク」。最終日は、県内の中小企業の団体である沖縄県工業連合会の我謝(がじゃ)育則専務理事にインタビューした。「デジタル技術を生かした省人化や自動化を進める必要がある」と話すが、県内の企業にデジタル技術やロボットを根付かせるのは難しいという。それはなぜか? 沖縄県の中小企業が抱える課題と、同会の取り組みを聞いた。

沖縄県の工業の育成と振興を図る

「2大事業として『県産品奨励事業』と『沖縄の産業まつり』を手掛ける」と語る我謝育則専務理事

――沖縄県工業連合会とはどういう団体でしょうか。
 沖縄県工業連合会は、沖縄県の工業の育成と振興を図ることを目的に1953年に設立した企業団体です。当初の名称は琉球工業連合会でしたが、1972年に沖縄県が本土復帰したのを機に現在の沖縄県工業連合会に名称を変更しました。
 現在の会員企業数は約340社で、中小の製造業が中心です。九州などの他県では、機械関係や電機関係などに業界を絞って工業連合会を設立していますが、それだと沖縄県では会員企業が集まりません。そのため、食品関係や建材関係など業界を全て合わせて、製造業という幅広いくくりで工業連合会を運営しています。

――主な事業概要を教えてください。
 2大事業として①「県産品奨励事業」②「沖縄の産業まつり」――を手掛けています。
 まず県産品奨励事業ですが、沖縄県では7月を「県産品奨励月間」に定めており、当工業会でもそれに関連する各種キャンペーンを実施しています。この奨励事業は77年から続けているもので、7月1日を「県産品の日」とし、パレードを開催しています。県民や県内の企業に県産品を愛用してもらうことで、県産品の自給率を高めたいと考えています。

県産品の愛用で経済を活性化

2019年10月に開催された「第43回沖縄の産業まつり」には過去最高の来場者が集まった(沖縄県工業連合会提供)

――もう一つの沖縄の産業まつりとは?
 10月の第4週の金曜日~日曜日の3日間にわたり、那覇市で毎年開催するイベントです。県産品や沖縄県の技術を県民や他県の人に広く見てもらうことが目的で、2019年で43回目を迎えました。昨年の来場者数は延べ28万7900人で過去最高を記録しました。
 繰り返しになりますが、県産品奨励事業や産業まつりを通して、県民に県産品を知ってもらい、愛用していただきたい。それにより、沖縄県の経済の活性化を目指します。

――沖縄県の自給率を高める目的は何でしょうか。
 沖縄県は戦後、米軍の統治下になりました。他の都道府県から切り離されていたので、沖縄ではセメントや鉄鋼、ビールなど、工業や生活に必要なものを自分たちで作ってきました。
 しかし、72年の本土復帰と同時に、他の都道府県からさまざまなものが沖縄県に入るようになりました。ですが、県産品が他県の製品に押される可能性もあり、沖縄県内の産業が衰退するのではと危惧しました。それを防ぐためにも県産品の自給率を高める必要があります。だからこそ、県民や県内の企業には県産品を少しでも使ってもらえるよう努力しています。

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