生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2019.02.01

連載

[注目製品PickUp!Vol.7]厳しい環境でも大丈夫!小型・軽量・高把持力のグリッパー【後編】/鍋屋バイテック「5000シリーズ」

鍋屋バイテック(岐阜県関市、岡本友二郎社長、以下NBK)は、ドイツの機械部品メーカーZIMMER(ツィマー)GROUPの国内総代理店だ。加工現場の環境に適した高強度のロボットハンド(グリッパー)「5000シリーズ」などの販売やサービスを一手に担う。前編で紹介したように、5000シリーズの最大の特徴は小型で高把持力、高剛性であること。オープンな情報通信規格「IO-Link(アイオーリンク)」に対応する「IL仕様」もあり、既存のネットワークにも簡単に接続できる。また、より簡単にグリッパーが操作できるようロボットメーカーとのコラボレーションもスタートした。

通信やネットワークに制限されず

 モノのインターネット(IoT)技術を利用して機器や設備、さらには工場同士をつなげ、品質や作業工程を管理する「スマートファクトリー」の取り組みが製造業で注目を浴びる。
 そうした流れに対応するため、ツィマーは国際的な情報通信規格「IO-Link」仕様の製品を開発している。5000シリーズでIO-Linkに対応するのが「5000ILシリーズ」だ。

 製造現場の設備や機器をネットワークでつなぐ場合、どの規格にそろえるかを選定する必要がある。ネットワークには多数の規格があり、通常は各機器もその規格対応品でないと使えない。しかしIO-Linkのシステムは他規格のネットワークにそのまま組み込むことができるため、IO-Link対応の機器ならばネットワークの規格を選ばず活用できる。

種類が豊富なツィマー製グリッパー

 では、グリッパーをネットワークに接続するとどんなメリットがあるのか。
 例えばグリッパーの付け替え作業が簡単になる。グリッパーを交換した際には、爪の動きや把持力の強さなどの設定が必要だ。しかし付け替える前のデータがバックアップされていれば、再設定する必要がない。IO-Link機器ならばバックアップデータの自動転送が可能で、稼働停止時間を最小化できる。
 さらに、グリッパーが故障する前にその予兆を把握することで、事前に交換や修理ができる予兆保全機能など、メンテナンスに役立つさまざまなオプションも用意した。

TOP