[注目製品PickUp!Vol.4]こんな構造見たことない、狭い空間を縦に使う【後編】/セイコーエプソン 「Nシリーズ」
600×600㎜に4つの機能を詰め込む
セイコーエプソン提供
狭い空間でこれほど多くの役割を担えるのは、ボックスの底面だけでなく、上の空間も作業ステーションやストッカーとして有効に使っているため。アームを伸ばしたり折りたたんだりしながら、ボックス内の空間をフルに使って作業する。
アームの根元付近でも作業ができるNシリーズならではのシステムだ。
センサーで機能を拡張
セイコーエプソン提供
これらの用途をこなす上で重要な役割を果たすのが、力覚センサーやビジョンセンサーなどのオプションだ。
ねじ締めでは力覚センサーが活躍する。雄ねじと雌ねじがうまくかみ合っていないと、回すときの負荷が大きくなる。この負荷の違いを感じ取ることで、ねじがうまく締まっているか確認できる。この他、精密なはめ合い作業や研磨など、これまで人の手の感覚に頼っていた作業を自動化できる。
力覚センサーには、水晶圧電方式とひずみゲージ方式がある。ロボットではひずみゲージ方式を使う企業も多いが、同社は水晶圧電方式を採用する。
「当社は時計や電子機器に使う水晶デバイスのメーカーでもあり、水晶圧電方式のセンサーは得意分野。ひずみゲージ式よりも圧力が加わった際の変形が少ないため、ロボットに組み込めば精密な作業ができる」とロボティクスソリューションズ事業部長の吉田佳史執行役員は言う。
スカラロボットでは斜め穴へのねじ締めは難しいが、N2なら穴が斜めでも真横でも対応できる。
また、ビジョンセンサーも活用した。歯車がセットしてあるところにさらに別の歯車を組み込むには、力覚センサーによる触覚に加え、両方の歯の位置を認識して、角度を合わせる必要がある。ビジョンセンサーを使えばその角度合わせができる。