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2024.05.16

独tesaと協業、シールによる車体の穴ふさぎを提案/ABB

専用インターフェースや相性の良い機能も提案

ABBではこの用途専用のインターフェースなどを開発した

 自動貼り付け機は他メーカーのロボットにも搭載できるが、ABBではこのアプリケーション(用途)専用のユーザーインターフェースやカートリッジ管理システムを開発しており、ABBのロボットと組み合わせると利便性が高い。

 このアプリケーションに合わせ、安全機能「SafeMove(セーフムーブ)」なども提案する。セーフムーブは、レーザースキャナーなどで周囲に人がいないことを常に確認することで安全性を確保し、安全柵の一部省略を提案できる機能だ。安全柵の一部が空いていれば、カートリッジの補充や、使用済みカートリッジの回収などがしやすい。

 また、ビジョンシステムを組み込み、きちんとシールが貼れているかの検査も可能だ。自動貼り付け機もビジョンシステムもロボットのコントローラーから制御でき、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)なしでシステムを構築できる。

静岡県にあるABBのテクニカルセンターでデモを披露した

4月15日~19日には、静岡県島田市にあるABBのテクニカルセンターで実機を展示。国内メーカーを中心に13社の自動車メーカーを招いてデモンストレーションを披露した。

 ABBでロボティクス&ディスクリート・オートメーション事業本部長と自動車OEM事業部長を兼任する浅利貴氏は「開発したばかりのシステムで本格的な提案はこれからだが、有望なアプリケーション。日本の自動車業界では昔から、ABBの塗装ロボットをさまざまなお客さまにお使いいただいている。塗装と穴ふさぎでは作業は異なるが、穴ふさぎは組み立て工程だけでなく塗装工程にもあり提案もしやすい」と言う。

 tesaドイツ本社のグローバル・マーケット・セグメント・マネージャーの西野幸伸氏は「自動車業界でシールやテープを活用できる工程は他にもたくさんある。ボディーの穴をふさぐシールをきっかけに、自動車業界にさまざまな製品を提案していきたい」と語る。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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